120のファイルが乱立し、属人化していた事業計画。Loglassで経営のブラックボックスを解消し、次世代の経営者育成へ
株式会社JR西日本ヴィアイン
- 従業員数
- 301〜1,000名
- 公開日
- 2025-08-26

この事例の要約
- 課題
- JR 西日本ヴィアインホテルズはホテル事業に特化した経営体制への移行と、コロナ後のインバウンド需要回復に伴うビジネスホテル業界の競争激化を背景に、適切な経営判断を高速で下せる体制が必要でした。事業計画は Excel で 20 シート+ DSN 社で 100 シート、合計 120 シート規模に達して作成者本人しか分からないブラックボックス状態。ファイルを開くだけで 2〜3 分かかる重さや、関数が壊れた数字の原因究明に半日要するトラブルが頻発していました。利益ベースで全体状況を把握するのに 1 ヶ月かかり、年度末に「目標を大きく上回っていた」と気付くなど、リアルタイムな経営判断ができない深刻な課題を抱えていました。
- 施策
- 経理 DX のための展示会で偶然「管理会計に興味はありませんか」と声をかけられて 「Loglass 経営管理」のブースに立ち寄り、「複数拠点の数字を並べる」「科目別・年別で比較する」デモを見て「まさに欲していたのはこれだ」と直感。同じ課題意識を持っていた当時の社長にすぐ連絡し、後日の打ち合わせで価値を確信して他ツールと比較せず社長決裁で即決しました。導入後は事業計画の作り方を論理的に数字を積み上げる方式へ刷新し、経営企画部の誰でも予算を組んで管理できる体制を整備。ホテル業ならではの RevPAR(ADR × OCC)の管理や、固定費率・変動費の影響シミュレーション、ホテル事業単独のキャッシュフロー把握も Loglass 上で運用できる設計に組み立て直しました。
- 成果
- 120 シートもの Excel 集計作業から解放され、浮いた時間で各事業部に提言する「社内コンサルタント」のような戦略業務に集中できるようになりました。ホテル事業単独のキャッシュフローを意識した数年先の設備投資計画や、資金調達の時期と規模の計画も根拠を持って策定可能に。社長との会話は「リネン費が気になる」というふわっとした議論から、「去年比でリネン費が高騰しているが、同規模のホテルではどうか」といった高精度な議論へ進化しました。直近の数字がリアルタイムで反映されるため、光熱費高騰など市場の変化を受けたタイムリーな経営判断ができる状態に到達しています。
事業計画Excelシート数
約120シート → Loglass
Loglassに一元化し、作成者本人しか分からないブラックボックス状態を解消
利益ベースの経営状況把握
〆から1ヶ月 → リアルタイム
社長の質問にその場でドリルダウンして即答。費用対策の議論精度も向上
お話を伺った方
株式会社JR西日本ヴィアイン
経営企画部
柴﨑 様
株式会社JR西日本ヴィアイン
経営企画部
塚本 様
株式会社JR西日本ヴィアイン
経営企画部
千家 様
競争が激化するビジネスホテル業界を生き残るため、より適切な経営判断が求められた

ー「 Loglass 経営管理」を導入するに至った背景をお聞かせください。
柴﨑様:内的要因と外的要因、それぞれの側面がありました 。まず内的要因としては、組織体制の再編がきっかけです。もともとホテル事業は、駅ナカの小売業などを手掛けるジェイアール西日本デイリーサービスネット(以下、DSN社)の一事業でしたが、事業規模が拡大し、経営に与える影響も大きくなったことから、ホテル事業に特化した経営体制へと移行することになりました 。
外的要因としては、コロナ禍後のインバウンド需要の高まりなどを受け、ビジネスホテル業界の競争が激化したことが挙げられます 。ビジネスホテルはハード面での差別化が難しく、適切な経営判断で価値を提供し続ける必要性が高まっていました 。
ー ホテル事業において、どのようなKPIや数字が重要視されるのでしょうか。
柴﨑様:最も重要なのはRevPAR(販売可能な客室1室あたりの売上)です 。これはADR(平均客室単価)とOCC(客室稼働率)をかけ合わせて計算されるため、この2つのバランスをコントロールし、RevPARを最大化することが求められます 。
もうひとつは固定費率の管理です 。ホテルは固定費が高い業態のため、変動費をいかにコントロールするかが重要になります 。例えば、リネン費などの変動費が一つ値上がりすると収支全体にどう影響するのか、その影響を吸収するにはどれだけの売上が必要なのか、といったシミュレーションができる必要がありました 。
経営管理のシステム化で出来た時間で、社内コンサルタントとしての役割を担いたい

ー どのような経営管理を理想の状態として考えていましたか。
柴﨑様:工数と時間を最小限に抑え、意思決定に必要なデータを収集できる、システマチックな仕組みが理想でした 。そして、収集したデータを基に経営企画部が各事業部へ提言する“社内コンサルタント”のような役割を担い、マーケットの変化に迅速に対応できる状態を目指していました 。
塚本様:私たち経営企画部の現場目線では、社内で掲げている事業計画上のKPIに対して、現在の実績がどの程度か、つまりリアルタイムでどのくらいの達成状況であるのかと一目で分かる環境を求めていました。そのためには、ただ経営管理の数字を羅列するのではなく、グラフといったビジュアル的に分かりやすく視覚化されている必要があります。
ー 経営管理ではどのような課題を抱えていたのでしょうか。
柴﨑様:大きく3つの課題がありました。1つ目は、経営計画がブラックボックス化していたこと、つまり事業計画などのExcelを作成した本人しか分からない状況に陥ってたことです。たとえば事業計画のExcelの場合、弊社で20シート、DSN社で100シートも存在しており、その複雑さ、締め切りスケジュールのタイトさゆえに他の人が数字の妥当性のチェックできない状態でした。最終的にはその数字が出てくるまでの流れを作成者本人しか分からず、「こういう数字が出てきました」と結果だけが独り歩きしていたのです。
次に、Excelの集計作業に膨大な時間がかかっていたことです 。Excelのデータサイズ自体が重くなってしまい、ひとつのファイルを開くだけで最低でも2〜3分は待たねばなりませんでした。また、誰かが関数を壊して直接数字を入力してしまい、おかしい数字となることもよくあり、その原因究明に半日かかることもありました。ですので、決算作業が終わった時点でへとへとになってしまい、管理会計としての分析業務に割く時間も体力の残っていないことが日常茶飯事でした。
そして第3に経営層がタイムリーな経営判断ができないという課題です。売り上げの数字はすぐに上がってくるのですが、利益ベースで経営全体がどのような状態かを経営層が把握するのに1ヶ月かかっていました。やっと利益の数字が出てくる頃には時期を逸しており、これが年度末になるともっと深刻な問題に繋がります。たとえば「今年度の目標利益に対して、このままいけば目標利益を大きく上回りそうだ。だから、〇〇円までは費用を支出してもよさそうだ」といったリアルタイムな判断ができなかったのです。その結果、3月末に決算が締まってからようやく「こんなに計画を上回っていたんだ」と気づくような状態が続いていました。
リアルタイムな判断が下せずに施策が後手に回ってしまえば、環境に左右されやすく浮き沈みが激しいビジネスホテル業界の変化に置いていかれてしまう危機感があり、Excel管理の仕組みから脱却することを決めました。
展示会のデモ画面で「これだ」と感じ、比較検討なく社長決裁で導入を決定

ー どのようなきっかけから「Loglass 経営管理」をお知りになったのでしょうか。
柴﨑様:もともとは管理会計ではなく、経理部門のDXを進めるためのツールを探しに展示会へ足を運んだことがきっかけでした。しかし思ったようなツールには巡り会えず、成果がないまま帰ろうと出口へ向かっていたところ、偶然「管理会計に興味はありませんか」と声をかけられたのです。「めちゃめちゃ興味あります」と答えて寄ったのが、「Loglass 経営管理」の展示ブースでした。
「複数拠点の数字はこのように並べられます」「科目別、年別の数字はこうやって比較できます」と説明を受け、「まさに今、私たちが欲しているのはこれだ」と直感しました。そこから以前から同じ課題意識を持っていた当時の社長にすぐに連絡し、後日、社長と私でログラス社との打ち合わせに参加しました 。そこで改めて価値を確信し、他ツールとの比較検討は行わず、導入を即決しました 。
経営管理のブラックボックス化を解決。新たな付加価値の創造やタイムリーな経営判断も実現

ー「Loglass 経営管理」を導入いただき、1年以上が経過しています。当初抱えていた課題は解決されましたか。
柴﨑様:事業計画の作り方が根本的に変わり、論理的に数字を積み上げて作成するようになった結果、経営企画部であれば誰でも予算を組んで管理できる体制が整いました 。
千家様:私はExcelで事業計画を作成していた頃を知りませんが、今回初めてLoglassを使い、問題なく事業計画を作成できました 。
導入前の予実管理表は予算と実績がいびつになっていることが多々ありました。「Loglass 経営管理」で作成した予実管理表は予算と実績の数字が整っているのはもちろん、一覧の表からドリルダウン機能を活用して詳細なデータまで確認できるところがとても便利だと感じています。
柴﨑様:Excelの集計作業に費やしていた時間も解消されました 。およそ120シートもの集計作業から解放され、その時間をより付加価値の高い業務に充てられるようになっています 。具体的には、マーケットの変化を捉えて各事業部に提言する“社内コンサルタント”のような、より戦略的な業務に時間を集中できるようになりました 。
特に大きな変化は、ホテル事業単独のキャッシュフローを意識できるようになったことです 。ホテル事業は小売事業と異なり、新規ホテルを開業するたびに多額の先行投資が必要なビジネスモデルです。「Loglass 経営管理」を導入したおかげでしっかりとした根拠を持って数年先の設備投資計画を策定できています。そこから適切な資金調達の時期と規模まで計画できるようになりました。
ー「 Loglass 経営管理」を導入する際に相談されていた当時の社長からは、どのような評価をいただきましたか。
柴﨑様:社長が特に評価していたのは、タイムリーな経営判断を下せるようになった点です 。以前はExcelの複雑さから質問に即答できませんでしたが、今ではLoglassの画面を見せながら、社長が求める数字をその場でドリルダウンして見せることができます 。
たとえば「リネン費の金額が気になるから、次は気をつけよう」とふわっとした会話から、「去年と比べてリネン費が高騰しているが、同じ規模のビジネスホテルでも同じ状況なのか。どうすれば抑えられるのか」といった高い精度で会話ができるようになっています。その事業計画の数字自体も直近の数字がリアルタイムで反映されているため、たとえば光熱費の高騰といった市場の変化を受けて議論ができるようになっています。
社内コンサルタントとしてRevPARの最大化、そして次世代のプロパー経営者の育成へ

ー 今後の展望についてお聞かせください。
柴﨑様:「Loglass 経営管理」の導入によって管理会計DBを構築できたことで、予算、見込、実績、KPIといった分析指標となる経営情報を一元管理できるようになりました。これによって数字にアレルギーがある社員でも経営判断につながる情報収集ができるようになりましたので、今後は、現場経験豊富な社員が事業計画策定に携わるなど、活躍の場を広げていきたいと考えています 。
また、社内コンサルタントとして経営企画部のメンバーが、事業計画の数字をベースにビジネスホテル単位の経営状況を分析し、各ホテルの支配人と共にRevPAR最大化の施策を考え、実行していく。そのプロセスを通じて、現場の支配人が経営者マインドを身につけ、次世代のプロパー経営者として育っていくことを期待しています 。
競争がますます激化するビジネスホテル業界において、より地域の市場感や顧客のニーズを理解している現場の支配人が積極的に予算を投じ、経営者マインドを持った行動こそが「JR西日本ヴィアインホテルズ」の価値を高めていくと信じています。
Q&A
- 「Loglass 経営管理」の導入はどのように決まりましたか?
- 経理 DX のための展示会で偶然 Loglass ブースに立ち寄り、複数拠点・科目別・年別の比較デモを見て「欲していたのはこれだ」と直感しました。同じ課題意識を持つ当時の社長にすぐ連絡し、後日の打ち合わせで価値を確信して他ツールと比較せず社長決裁で即決しています。
- ホテル事業特有の経営管理にどう活用していますか?
- ADR と OCC を掛け合わせた RevPAR を最大化する管理や、固定費比率の高い業態における変動費(リネン費など)の値上がり影響シミュレーション、新規ホテル開業に伴う設備投資計画と資金調達のタイミング設計などに活用しています。
- 経営層の意思決定はどう変わりましたか?
- 以前は利益ベースで全体状況を把握するのに 1 ヶ月かかっていましたが、Loglass 画面を見せながらドリルダウンで即答できるようになり、市場変化を受けたタイムリーな判断が可能になりました。年度末まで実態を把握できない状態から脱却しています。


