食品・飲食Loglass 経営管理

月次集計が1週間から2日に。現場の予算意識も高まり、R&D投資を最適化する「攻め」のフェーズへ

味の素株式会社

従業員数
1,001〜5,000名
公開日
2026-06-19
月次集計が1週間から2日に。現場の予算意識も高まり、R&D投資を最適化する「攻め」のフェーズへ

「アミノサイエンスで人・社会・地球のWell-beingに貢献する」をパーパスに掲げ、食品から電子材料まで幅広い事業を展開する味の素株式会社。同社の食品研究所では、研究開発の予算管理が完全に属人化し、月次報告に約1週間を要するなど業務負荷が深刻な課題となっていました。そこで「Loglass 経営管理」を導入し、実績管理の仕組み化と、集計から報告までの一気通貫化を実現。月次報告の作業期間を約2日に短縮するとともに、10名以上のグループ長へ予算実績の見える化を推進しています。今回は、食品研究所 企画グループの鷲尾様にお話を伺いました(2026年2月取材)。

お話を伺った方

食品事業本部 食品研究所 研究管理部 企画グループ 鷲尾様

ポイント

  • 月次報告が1週間から2日に短縮。定例会議の早期開催にも貢献
  • Word報告書を廃止し、集計から報告まで「Loglass 経営管理」で一気通貫化
  • グループ長10名以上へアカウントを付与。予算意識が向上し、費目修正も現場で完結

年々増える研究員400名の予算を2名で管理。属人化と業務負荷が深刻な課題に。

ー 食品研究所の役割と、企画グループの業務体制について教えてください。

鷲尾様:食品研究所はフード&ウェルネス領域(食品と健康に関わる製品開発および研究)を担う組織で、2030年に向けてこの領域の研究基盤を支えることが大きなミッションです。研究サイクルをより速く回していくために何ができるか、研究所として模索を続けています。

食品研究所には約400名が在籍しており、3つのセンターと10を超えるグループで構成されています。私はその中の企画グループに所属し、予算管理とIT管理を担当する立場です。予算管理の実務を担うのは私ともう1名の計2名で、部下が経費処理と一部の予算策定を担い、私が全体の予算を取りまとめて上長への報告と投資判断の起案を統括しています。

ー 「Loglass 経営管理」を導入する以前、予算管理にはどのような課題がありましたか。

鷲尾様:予算を作るために必要な情報があちこちに散らばっていました。各グループに依頼してデータを出してもらい、Excelやメールで届いた情報を手作業で集計して全体数値を作成します。月次定例会の報告資料は、実績データが出てから集計に約1週間を要し、四半期ごとの予算策定になると、最終集計まで約1ヶ月かかっていました。

普段の解析に使うExcel、上長向けのWordフォーマット、食品事業部全体で管理する際のフォーマットがそれぞれ異なり、項目の粒度や表現が統一されていなかったことも大きな課題でした。加えて、グループ長には基幹システムのIDが付与されていなかったため、予算実績の詳細が末端まで伝わりにくい状態でした。

ー なぜこのタイミングで業務改善に踏み切ったのですか。

鷲尾様:私が赴任して予算管理を引き継いだ際、業務が完全に属人化していました。Excelの集計方法も、どこから情報を取得するのかも、すべて前任者の頭の中に閉じていたのです。一つひとつ教わりながら、慣れるまでに1〜2年かかりました。

また、研究員の人数は年々増え続けており、赴任当時は300名弱でしたが、今では約400名です。それに比例して、予実管理の業務量は増加しているにもかかわらず、管理体制は2名のままです。担当者の負荷が深刻になり、効率化・自動化できる手段がないかと展示会に足を運んだのがきっかけです。

情報の「一気通貫化」が導入の決め手。効率化に留まらず、研究開発投資の高度化も視野に。

ー 「Loglass 経営管理」選定の決め手を教えてください。

鷲尾様:最大の決め手は、「一気通貫で情報が流れること」でした。以前はExcelで集計した後、Wordで報告書を作成する作業が発生していましたが、「Loglass 経営管理」なら、実績の表示から上位層への報告まで一つのツール上で完結できます。

また、基幹システムとの連携も必須要件でした。基幹システムのデータを取り込み、自社独自の集計レイヤーに変換して表示できることや、上長ごとにバラバラだった項目体系を一本化できることを重視しました。属人化や非効率な状況は組織として手を打たなければならない、という課題意識が共有されていたので、反対意見はほとんど出ませんでした。

ー 導入はどのようなステップで進められましたか。

鷲尾様:3つのフェーズに分けて進めています。第1フェーズは月次の実績管理の構築で、基幹システムの勘定体系と自社独自の集計レイヤーの紐付けが中心です。上長が交代するタイミングで、報告フォーマットの一本化も提案しました。大企業では上長の方針でフォーマットが変わりがちですが、逆にその切り替わりを活かして一気に仕組みを変えることができました。

現在は第2フェーズとして、予算や見込みの取り込みを進めています。食品研究所外の部門からの情報は、メールやExcelなどバラバラな形式で届くため、統一フォーマットを作成し、「Loglass 経営管理」へ一括取り込みする方針です。第3フェーズでは、非財務データとの連携による分析の高度化を構想しており、第2フェーズと同時並行で議論を始めています。「Loglass 経営管理」を活用したこれらの取り組みは、弊社の中村社長が掲げる「アジャイル開発」「見える化」という方針と合致していることもあり、今後の第2・第3フェーズへの展開もスムーズに進む見込みです。

ー カスタマーサクセスの伴走支援はいかがでしたか。

鷲尾様:基幹システムの勘定コード体系、社内分析に使う体系、上長に報告する体系、この3つがそれぞれ異なるため、各科目の分解と結合を「Loglass 経営管理」でどう表現するかが最大の難所でした。マスタの紐付け作業に慣れるまで、カスタマーサクセスの担当者に全面的にサポートしていただきました。

当初は効率化と自動化だけをゴールに据えていましたが、カスタマーサクセスの方が継続的に伴走支援してくださり、「R&Dの研究費の使い方を可視化し分析する」という段階にまで視野が広がりました。「次に何ができるか」を考えられるステージに進めたことが、導入当初と大きく異なる点です。

月次報告準備が1週間から2日に短縮。10以上のグループ長が自ら費目の誤りを発見する、予算意識の高い組織へ。

ー 導入後、現場ではどのような変化がありましたか。

鷲尾様:月次定例の報告準備は、約1週間から2日に短縮することができました。提出が早まったことで、定例会議自体もより早い時期に開催できるようになっています。Wordの報告書作成が不要になり、今では「Loglass 経営管理」の画面をそのまま会議で提示しています。ボタンを押せばレポートが表示され、一画面でパッと見てわかる状態です。

研究員は年々増え続けていますが、管理体制は2名のまま維持できており、「Loglass 経営管理」による月次管理の改善が、増大する業務量の吸収に寄与していると感じています。

また、10を超えるグループのグループ長に「Loglass 経営管理」のアカウントを付与したことも大きな変化です。以前は基幹システムのIDが付与されておらず、グループ長は予算実績の詳細を直接確認する手段がありませんでした。「Loglass 経営管理」を通じて基幹システムのデータが可視化されたことで、予算管理に対するグループ長の感度が目に見えて上がっています。

ー 現場の予算管理の感度が高まった具体的なエピソードはありますか。

鷲尾様:特に印象的だったのは、費目の付け間違いをグループ長自身が発見するようになったことです。基幹システムの勘定科目は複雑なため、本来と異なる費目で計上されるケースが少なくありません。以前は、経費担当の部下が最終チェックで気づいて修正依頼していましたが、今はグループ長が「Loglass 経営管理」上で「この費目は違うのではないか」と気づき、グループ内で修正が完結しています。

また、一つの共通データに基づいて対話ができるようになり、「グループ長だけでなく、その下の管理職にも「Loglass 経営管理」を見せたい」という声が上がってきています。

予実管理の「守り」は達成。R&Dの費用対効果を可視化し、研究投資の意思決定を高度化する「攻め」のフェーズへ。

ー 振り返って、部門単位での導入を成功させるために重要だったことは何ですか。

鷲尾様:「Loglass 経営管理」は全社の予実管理ツールとして導入されるケースが多いと思います。しかし、我々のように切り出した単位組織の中でも使いこなせることがわかりました。

成功の要因は2つ挙げられます。まず、予実管理を一つの独立した組織として実施していたことです。中小企業1社の組織構造と、大企業内の研究所の組織構造は似ていると思います。研究所長をトップに、3つのセンター、10以上のグループという構造があり、業務体系がその中で完結していました。全社導入でなくても、業務が自己完結している組織単位があれば、そこから始めて効果は出せるのです。

もう一つは、カスタマーサクセスの伴走です。サポート体制の充実度は、導入を判断する際に重要な要素だと感じています。

ー 今後、「Loglass 経営管理」をどのように活用していきたいですか。

鷲尾様:第1フェーズで実績管理の効率化と自動化はある程度達成できました。いわば「守り」が固まった状態です。次は「攻め」のフェーズとして、第2フェーズの予算・見込みの取り込みを完成させ、食品研究所外の部門とのデータ連携フローを確立したいと考えています。また、第3フェーズでは、R&Dの費用対効果を可視化する指標づくりに取り組みます。研究が効率的に進んでいるかどうかを判断できる指標ができれば、中村社長が掲げるアジャイルな研究開発経営にもつながるはずです。DXやAIという言葉が飛び交う中で、実体のある「身になるもの」を見極めながら、効率化の取り組みを継続していく考えです。

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