
売上高1兆2691億円、2024年4月1日に5社が合併して誕生した三井物産流通グループ株式会社。総合食品卸売事業と物流事業を柱とする同社では、全国約160の物流センターを擁する現場主導の事業運営を強みとしています。しかし合併と同時に、旧社ごとに異なる管理会計システムと科目体系をいかに統合するかという課題に直面しました。
この課題に対し、物流ユニット戦略企画部は「Loglass 経営管理」を導入。自らもセンター勤務を経験した担当者2名が現場感覚を持って展開に取り組み、Loglass導入から約8ヶ月で100以上のアカウントを配布。現場のセンター長が従来のExcel運用を活かしながら、予算を入力・管理できる体制を整えました。
今回は導入を主導された戦略企画部のお二人に、変革の経緯と今後の展望を伺いました(2026年2月取材)。
物流ユニット 戦略企画部 企画室 係長 小川様
物流ユニット 戦略企画部 企画室 大石様

小川様:弊社は2024年4月1日に5社が合併して設立された会社です。事業の柱は2つで、食品を中心とした総合卸売事業と、物流センターを運営するロジスティクス事業です。お客様のもとへ商品を届けるための物流機能を担いながら、メーカーと小売・外食をつなぐ中間流通としての役割も果たしています。物流ユニットは、旧物産ロジスティクスソリューションズ(以下、旧BLS)と旧三井食品(以下、旧MF)が主に統合したユニットで、全国に約160の物流センターを持っています。
私たちが所属する物流ユニット戦略企画部は、ユニットの数値管理全般、予算の作成から実績の管理までを担いつつ、経営とユニットの現場をつなぐハブのような機能を持っています。全社の方針や経営課題を現場に落とし込む一方で、現場の状況を数字として整理し、ユニット長や全社の経営企画に報告する役割です。
小川様:弊社はもともと、各拠点の積み上げから予算を作るボトムアップ型の企業です。トップダウンで予算を決めるのではなく、現場のセンター長が自分の拠点の数字を把握し、予算を組み上げていく。それがユニット全体に積み上がっていく形が基本にあります。各拠点のセンター長は収益や原価の管理に責任を持っており、数字に対する当事者意識は強いと感じています。
物流センターは、配送の物量や人件費、原価がPLに直結します。想定していた物量と実際の物量がどれだけ乖離しているか、配送費はどう動いているか、センター長はそこを見て、自分の現場をどう改善するかを考えています。現場が主体的に数字を持って動くからこそ、その数字を正確に・素早く・扱いやすく整えることが、管理会計において重要な意味を持つのです。

大石様:最も難しかったのは、旧BLSと旧MFで使っていたシステムがそれぞれ異なるうえ、両方を把握している担当者がいない状況だったことです。科目の定義も旧社ごとに違っていて、同じ科目を一方は費用として、もう一方は収益として計上しているケースもありました。議論のたびに確認から始めなければならず、その目線合わせは大きな工数でした。
旧BLSと旧MFはビジネスモデルも異なります。一方は「物流拠点単体で収益を立てる」という考え方が強く、もう一方は「営業部門から引き受けた荷物の物流コストを管理する」という考え方が中心です。同じ「物流センター」でも、予算の組み方や数字の意味合いが違う。それを一つのシステムで整理していくことが、まず取り組むべきテーマでした。
小川様:集計のフローも複雑でした。各拠点から運営部、本部を経て戦略企画部に数字が届く構造で、旧MFの領域はさらに経理を挟んで別ルートから数字を取り寄せ、変換してから合算するプロセスが必要でした。当時のシステムはデータを取り込んでから画面に反映されるまでに10時間以上かかることもあり、当日中の確認が難しい場面もありました。全社のPLと各部門のPLを行き来するたびにExcelで変換作業が発生し、切り替えのたびに一定の手間がかかっていました。

小川様:一番の評価軸は「現場の予算作成のやり方をできるだけ変えない」という点でした。各拠点のセンター長がExcelで予算を作成し、それをアップロードするという運用スタイルは、弊社の現場感覚に根ざしたやり方です。それをそのまま引き継ぐことができるかどうか。そこが「Loglass 経営管理」を選んだ大きな理由の一つでした。現場に新しい操作を覚えさせるより、今のやり方の延長線上でシステムに乗せられる方が、定着の速度も精度も変わります。
大石様:データの反映速度も重要な評価軸でした。旧システムでは取り込んでから反映されるまで10時間以上かかることもありましたが、「Loglass 経営管理」であれば数分で確認できます。当日の数字がすぐ見える状態になると、現場への確認や分析のリードタイムそのものが変わります。数字を取り込み後、すぐに動ける体制が整うことは、現場を抱える組織にとって実用上の意味が大きいと感じました。
小川様:旧BLSと旧MF、それぞれの視点でPLを切り替えて確認できる柔軟性も重要な判断材料でした。以前は全社のPL形式と各事業のPL形式を行き来するたびにExcelで変換作業が必要でしたが、「Loglass 経営管理」ではレポートを選択するだけで切り替えられます。戦略企画部としても、現場へのフィードバックと経営への報告の両方を、一つのシステムで完結できる点が評価ポイントでした。既存の基幹システムを改修してデータを統合する選択肢もありましたが、SaaSの導入で素早く解決できる体制を選びました。

大石様:まず、旧BLSの管理会計を「Loglass 経営管理」上で再現することから始めました。科目名や並び順、画面の見え方はできるだけ従来に合わせて設計しました。現場のセンター長が見慣れた科目で確認できるようにすることが、スムーズな定着につながると考えたからです。現場が違和感なく数字を見られる状態を作ることが、まず最初の条件でした。
旧MFの領域は、科目の紐付けがより複雑で、「誰に聞けばわかるのか」を探すところから始めなければなりませんでした。また、最小単位の勘定科目を一つひとつ解体していく作業は、経理でもシステムの専門家でもない立場にはことのほか時間のかかる工程でした。それでも丁寧に確認を重ね続けた結果、経理部門との相互理解が深まりました。数字の言語を揃えるという取り組みが、組織をまたいだ信頼関係の構築にもつながっています。
小川様:現場への展開は段階的に進めました。全国のセンター長が集まる会議(約100名参加)で「Loglass 経営管理」を紹介し、今後の切り替えの方向性を事前に伝えました。この時点ではまだ従来のシステムも稼働しており、まずは画面を見ることに慣れてもらうことを目的とした案内にとどめました。
次の集合時に予算の入力方法を説明し、2ヶ月かけて各センターが実際にアップロードを行いました。展開にあたっては、想定される質問をあらかじめ整理してQ&Aを準備し、操作上の注意点も明確に伝えました。例えば、予算アップロード用ファイルへのセルの挿入はエラーにつながるため絶対に行わないようにと重点的に周知しました。一方、確認用のシートを追加することは自由に行えることも伝え、不必要な制限を与えないよう情報の取捨選択にも気を配りました。最初から多くの機能を使わせるのではなく、必要最小限の操作で完結できる運用から始めることを意識しました。
大石様:現場のセンター長は数字に対する責任感が強い方々です。意識の高いセンター長は、アカウントを受け取った直後から操作を試して質問を送ってくることもありました。届く質問の多くは初歩的な操作への問い合わせで、混乱というよりは純粋な好奇心からの反応という印象でした。また、従来のシステムより細かく科目を確認できると説明した際には「それはいいですね」という前向きな声が返ってくる場面もあり、機能そのものへのポジティブな反応が展開の追い風になりました。
小川様:弊社の現場文化も大きく関わっていると思います。弊社はもともと各拠点の積み上げから予算を作るボトムアップ型の企業です。自分の拠点の数字を自分で管理するという意識が現場に根付いているため、「Loglass 経営管理」で自分の数字を直接入力・確認できる運用との親和性が高かったです。現場が主体的に動く土台があったからこそ、導入から約8ヶ月という短期間で100以上のアカウントを配布できたと感じています。
大石様:私自身も小川さんも、もともとセンター勤務の経験があります。現場で日々コストや生産性と向き合ってきた感覚を持っているからこそ、「センター長の立場から見てわかりやすいか」「操作でつまずきそうな箇所はどこか」という視点で設計できたと思います。現場が混乱することだけは避けようという考えは、構築の段階から一貫して持っていました。

小川様:現時点では、全社の経営企画やユニット長への報告資料はまだExcelで作成しています。「Loglass 経営管理」はあくまで予算の入力・管理の基盤として動かしているフェーズで、報告への直接活用はこれからです。
2026年度からは実績データの取り込みも開始し、「Loglass 経営管理」一本で予実管理を行う体制に移行します。予算と実績を並べて見られるようになることで、初めてより深い分析ができる段階に入ります。これまでは現場への定着を最優先に、レポート機能の活用は段階的に進めてきましたが、本格稼働以降は本部単位でレポートを広げ、各部門が自ら数字を確認できる運用へとつなげていきたいと考えています。
大石様:非財務データとの連携も取り組みたい領域です。物量や納品先数、1ケースあたりの配送費といったデータをPLと組み合わせて可視化できれば、収益の変動をより構造的に捉えられます。物流の現場では、1ケースあたりの原価がどう動いているかが経営判断に直結します。財務と現場KPIをつなぐことで、現場の改善活動がより数字に紐づく形になると期待しています。
小川様:旧BLSと旧MFはビジネスモデルの特性が異なりますが、それぞれの強みをデータとして組み合わせることで、得意先ごとの分析や収益管理の高度化につなげていける可能性があります。システムの基盤が整ったことで、そうした活用が現実的な選択肢になってきました。真価を発揮するのはここからだと感じています。
大石様:導入して終わりではなく、現場に使ってもらえるかどうかが本質だと改めて実感しました。そのために、現場が不安なく使い始められる準備、例えばQ&Aの整備、操作上の注意点の明確化、見慣れた科目での設計などを丁寧に積み重ねてきたことが、今の状態につながっていると思っています。複雑な統合作業の中でも、現場の視点を手放さずに一つひとつ確認しながら着実に進めること。それが最も重要だったと振り返っています。経理でもシステム専門家でもない立場から地道に積み上げてきたからこそ、今では経理部門とも対等に話せる関係が生まれました。今回の取り組みはシステム導入という枠を超えて、異なる文化を持つ組織同士が数字の言語を揃えていくプロセスでもあったと感じています。
小川様:合併やM&Aを経て、管理会計の科目体系が複雑になっている企業の方に、特に参考にしていただけると思っています。異なる文化を持つ会社が一つになる過程では、数字の前提が揃わないことで生じる混乱が必ずあります。完璧な体制が整ってから動くよりも、現状を少しずつ「Loglass 経営管理」上に再現しながら前に進む方が、結果的に速いと思います。
大石様:多拠点を抱えながら現場主導で数字を動かしたいと考えている組織にも、特に合うと思います。現場の人間が自分の数字を自分で入力・確認するというシンプルな運用が実現できることが、定着の速さに直結します。ただ、導入してゴールではなく、使ってもらえるかどうかが本質です。現場が不安なく踏み出せるための準備を導入側がどれだけ丁寧に積み上げられるかが重要だと感じています。



小川様:弊社は2024年4月1日に5社が合併して設立された会社です。事業の柱は2つで、食品を中心とした総合卸売事業と、物流センターを運営するロジスティクス事業です。お客様のもとへ商品を届けるための物流機能を担いながら、メーカーと小売・外食をつなぐ中間流通としての役割も果たしています。物流ユニットは、旧物産ロジスティクスソリューションズ(以下、旧BLS)と旧三井食品(以下、旧MF)が主に統合したユニットで、全国に約160の物流センターを持っています。
私たちが所属する物流ユニット戦略企画部は、ユニットの数値管理全般、予算の作成から実績の管理までを担いつつ、経営とユニットの現場をつなぐハブのような機能を持っています。全社の方針や経営課題を現場に落とし込む一方で、現場の状況を数字として整理し、ユニット長や全社の経営企画に報告する役割です。
小川様:弊社はもともと、各拠点の積み上げから予算を作るボトムアップ型の企業です。トップダウンで予算を決めるのではなく、現場のセンター長が自分の拠点の数字を把握し、予算を組み上げていく。それがユニット全体に積み上がっていく形が基本にあります。各拠点のセンター長は収益や原価の管理に責任を持っており、数字に対する当事者意識は強いと感じています。
物流センターは、配送の物量や人件費、原価がPLに直結します。想定していた物量と実際の物量がどれだけ乖離しているか、配送費はどう動いているか、センター長はそこを見て、自分の現場をどう改善するかを考えています。現場が主体的に数字を持って動くからこそ、その数字を正確に・素早く・扱いやすく整えることが、管理会計において重要な意味を持つのです。

大石様:最も難しかったのは、旧BLSと旧MFで使っていたシステムがそれぞれ異なるうえ、両方を把握している担当者がいない状況だったことです。科目の定義も旧社ごとに違っていて、同じ科目を一方は費用として、もう一方は収益として計上しているケースもありました。議論のたびに確認から始めなければならず、その目線合わせは大きな工数でした。
旧BLSと旧MFはビジネスモデルも異なります。一方は「物流拠点単体で収益を立てる」という考え方が強く、もう一方は「営業部門から引き受けた荷物の物流コストを管理する」という考え方が中心です。同じ「物流センター」でも、予算の組み方や数字の意味合いが違う。それを一つのシステムで整理していくことが、まず取り組むべきテーマでした。
小川様:集計のフローも複雑でした。各拠点から運営部、本部を経て戦略企画部に数字が届く構造で、旧MFの領域はさらに経理を挟んで別ルートから数字を取り寄せ、変換してから合算するプロセスが必要でした。当時のシステムはデータを取り込んでから画面に反映されるまでに10時間以上かかることもあり、当日中の確認が難しい場面もありました。全社のPLと各部門のPLを行き来するたびにExcelで変換作業が発生し、切り替えのたびに一定の手間がかかっていました。

小川様:一番の評価軸は「現場の予算作成のやり方をできるだけ変えない」という点でした。各拠点のセンター長がExcelで予算を作成し、それをアップロードするという運用スタイルは、弊社の現場感覚に根ざしたやり方です。それをそのまま引き継ぐことができるかどうか。そこが「Loglass 経営管理」を選んだ大きな理由の一つでした。現場に新しい操作を覚えさせるより、今のやり方の延長線上でシステムに乗せられる方が、定着の速度も精度も変わります。
大石様:データの反映速度も重要な評価軸でした。旧システムでは取り込んでから反映されるまで10時間以上かかることもありましたが、「Loglass 経営管理」であれば数分で確認できます。当日の数字がすぐ見える状態になると、現場への確認や分析のリードタイムそのものが変わります。数字を取り込み後、すぐに動ける体制が整うことは、現場を抱える組織にとって実用上の意味が大きいと感じました。
小川様:旧BLSと旧MF、それぞれの視点でPLを切り替えて確認できる柔軟性も重要な判断材料でした。以前は全社のPL形式と各事業のPL形式を行き来するたびにExcelで変換作業が必要でしたが、「Loglass 経営管理」ではレポートを選択するだけで切り替えられます。戦略企画部としても、現場へのフィードバックと経営への報告の両方を、一つのシステムで完結できる点が評価ポイントでした。既存の基幹システムを改修してデータを統合する選択肢もありましたが、SaaSの導入で素早く解決できる体制を選びました。

大石様:まず、旧BLSの管理会計を「Loglass 経営管理」上で再現することから始めました。科目名や並び順、画面の見え方はできるだけ従来に合わせて設計しました。現場のセンター長が見慣れた科目で確認できるようにすることが、スムーズな定着につながると考えたからです。現場が違和感なく数字を見られる状態を作ることが、まず最初の条件でした。
旧MFの領域は、科目の紐付けがより複雑で、「誰に聞けばわかるのか」を探すところから始めなければなりませんでした。また、最小単位の勘定科目を一つひとつ解体していく作業は、経理でもシステムの専門家でもない立場にはことのほか時間のかかる工程でした。それでも丁寧に確認を重ね続けた結果、経理部門との相互理解が深まりました。数字の言語を揃えるという取り組みが、組織をまたいだ信頼関係の構築にもつながっています。
小川様:現場への展開は段階的に進めました。全国のセンター長が集まる会議(約100名参加)で「Loglass 経営管理」を紹介し、今後の切り替えの方向性を事前に伝えました。この時点ではまだ従来のシステムも稼働しており、まずは画面を見ることに慣れてもらうことを目的とした案内にとどめました。
次の集合時に予算の入力方法を説明し、2ヶ月かけて各センターが実際にアップロードを行いました。展開にあたっては、想定される質問をあらかじめ整理してQ&Aを準備し、操作上の注意点も明確に伝えました。例えば、予算アップロード用ファイルへのセルの挿入はエラーにつながるため絶対に行わないようにと重点的に周知しました。一方、確認用のシートを追加することは自由に行えることも伝え、不必要な制限を与えないよう情報の取捨選択にも気を配りました。最初から多くの機能を使わせるのではなく、必要最小限の操作で完結できる運用から始めることを意識しました。
大石様:現場のセンター長は数字に対する責任感が強い方々です。意識の高いセンター長は、アカウントを受け取った直後から操作を試して質問を送ってくることもありました。届く質問の多くは初歩的な操作への問い合わせで、混乱というよりは純粋な好奇心からの反応という印象でした。また、従来のシステムより細かく科目を確認できると説明した際には「それはいいですね」という前向きな声が返ってくる場面もあり、機能そのものへのポジティブな反応が展開の追い風になりました。
小川様:弊社の現場文化も大きく関わっていると思います。弊社はもともと各拠点の積み上げから予算を作るボトムアップ型の企業です。自分の拠点の数字を自分で管理するという意識が現場に根付いているため、「Loglass 経営管理」で自分の数字を直接入力・確認できる運用との親和性が高かったです。現場が主体的に動く土台があったからこそ、導入から約8ヶ月という短期間で100以上のアカウントを配布できたと感じています。
大石様:私自身も小川さんも、もともとセンター勤務の経験があります。現場で日々コストや生産性と向き合ってきた感覚を持っているからこそ、「センター長の立場から見てわかりやすいか」「操作でつまずきそうな箇所はどこか」という視点で設計できたと思います。現場が混乱することだけは避けようという考えは、構築の段階から一貫して持っていました。

小川様:現時点では、全社の経営企画やユニット長への報告資料はまだExcelで作成しています。「Loglass 経営管理」はあくまで予算の入力・管理の基盤として動かしているフェーズで、報告への直接活用はこれからです。
2026年度からは実績データの取り込みも開始し、「Loglass 経営管理」一本で予実管理を行う体制に移行します。予算と実績を並べて見られるようになることで、初めてより深い分析ができる段階に入ります。これまでは現場への定着を最優先に、レポート機能の活用は段階的に進めてきましたが、本格稼働以降は本部単位でレポートを広げ、各部門が自ら数字を確認できる運用へとつなげていきたいと考えています。
大石様:非財務データとの連携も取り組みたい領域です。物量や納品先数、1ケースあたりの配送費といったデータをPLと組み合わせて可視化できれば、収益の変動をより構造的に捉えられます。物流の現場では、1ケースあたりの原価がどう動いているかが経営判断に直結します。財務と現場KPIをつなぐことで、現場の改善活動がより数字に紐づく形になると期待しています。
小川様:旧BLSと旧MFはビジネスモデルの特性が異なりますが、それぞれの強みをデータとして組み合わせることで、得意先ごとの分析や収益管理の高度化につなげていける可能性があります。システムの基盤が整ったことで、そうした活用が現実的な選択肢になってきました。真価を発揮するのはここからだと感じています。
大石様:導入して終わりではなく、現場に使ってもらえるかどうかが本質だと改めて実感しました。そのために、現場が不安なく使い始められる準備、例えばQ&Aの整備、操作上の注意点の明確化、見慣れた科目での設計などを丁寧に積み重ねてきたことが、今の状態につながっていると思っています。複雑な統合作業の中でも、現場の視点を手放さずに一つひとつ確認しながら着実に進めること。それが最も重要だったと振り返っています。経理でもシステム専門家でもない立場から地道に積み上げてきたからこそ、今では経理部門とも対等に話せる関係が生まれました。今回の取り組みはシステム導入という枠を超えて、異なる文化を持つ組織同士が数字の言語を揃えていくプロセスでもあったと感じています。
小川様:合併やM&Aを経て、管理会計の科目体系が複雑になっている企業の方に、特に参考にしていただけると思っています。異なる文化を持つ会社が一つになる過程では、数字の前提が揃わないことで生じる混乱が必ずあります。完璧な体制が整ってから動くよりも、現状を少しずつ「Loglass 経営管理」上に再現しながら前に進む方が、結果的に速いと思います。
大石様:多拠点を抱えながら現場主導で数字を動かしたいと考えている組織にも、特に合うと思います。現場の人間が自分の数字を自分で入力・確認するというシンプルな運用が実現できることが、定着の速さに直結します。ただ、導入してゴールではなく、使ってもらえるかどうかが本質です。現場が不安なく踏み出せるための準備を導入側がどれだけ丁寧に積み上げられるかが重要だと感じています。

