株式会社久世

複数の営業・物流拠点の数字を集約。独自指標の可視化や、意思決定に必要な切り口でのデータ比較もLoglass 経営管理で実現

卸・小売・物流
従業員数
301〜1,000名

「頼れる食のパートナー」として、主に飲食店やホテルといった外食産業向けに業務用食材の卸売業を展開する株式会社久世。東京証券取引所スタンダード市場に上場する企業であり、関東圏を中心に複数の営業拠点と物流拠点を展開しています。

同社では、Excelを中心とする予算策定の効率化と、分析の高度化を通じたより良い意思決定の実現を目的に「Loglass 経営管理」を導入いただきました。その背景には「作業はシステムに任せ、社員は人にしかできない価値ある仕事を」という社長の想いがあります。今回は経営戦略推進室長の浅野様にお話を伺い、Loglass導入の経緯や運用開始後の導入効果についてお話しいただきました(2025年1月取材)。

お話を伺った方

経営戦略推進室長 浅野 敏宏 様

POINT

  • 以前は1日がかりだった資料作成がたった1時間に短縮。数字を見たい形で加工できるように
  • 営業部門が費用データを直接確認できるようになり、数字への意識が高まる効果がある
  • センター別収支管理など、分析の高度化を進めてより良い意思決定を行っていく

複数の拠点ごとに費用や収益を計上。これらの部門別のPLと物流指標を用いた資料の一体運用が課題だった

ー 貴社ならではの経営管理の特徴と、今回Loglass 経営管理を導入された業務をお聞かせください。

浅野様:弊社の経営戦略推進室は、いわゆる経営企画部門であり、中期計画や予算の策定、上場に関する業務、IR、広報、他社や外部機関とのアライアンス窓口、グループ会社管理からDX戦略の立案・推進まで、幅広い業務を担っております。

業務用食材の卸売業を営む弊社は、部門数が多いことが特徴です。4つの本部と1つの事業部の下に、23の部と支店、更に37の課・営業所・物流センターと、合計で50以上の部門や拠点を抱えており、それぞれの部門や拠点ごとに費用や収益を計算しています。

今回、Loglass 経営管理を導入したのは、各部門別のPLと物流センター収支資料との一体化のほか、パターン別の業績見込み資料の作成を容易にすることが目的でした。作成した資料は、経営層の経営判断や長期ビジョンの策定、各部門長の予算の進捗状況や物流センター収支の確認、そして今後の対応施策の為のベース資料として活用されます。

ー 貴社の事業モデルにおける重要な指標についてお聞かせください。

浅野様:PLに関しては予実差の要因や増加の大きい勘定科目の分析が重要です。また、各物流センター別の売上や収支、粗利、配送件数、配送あたりの売上、さらには1ピック(商品1つの取り出し)あたりの売上、費用、粗利までの粒度で数字が求められます。物流センター全体の数字から細分化するよりも、1ピックあたりの数字、ひとつの物流センターあたりの数字といったように細かい数字から全体の数字を可視化していくアプローチの方が分かりやすいのです。

最終的には、物流センターあたりの稼働率を算出し、上手く稼動できているか、不採算の物流センターなのかどうかを判断し、物流センターの統廃合や物流センターの拡張、増設など意思決定に反映されていきます。

ー 経営管理における理想像と、Loglass 経営管理を導入する前の課題を教えていただけますでしょうか。

浅野様:各部門長や経営層から求められる資料作成の時間をできる限り短縮すること、部門別・物流センター別の予実をひとつのツール内で可視化すること、そして分析や対応策の構築といった業務により多くの時間を割けている状態を理想としていました。

これまで弊社では、各部門別の予算策定と予実対比、業績見込みなどの資料はすべてExcelで作成していました。しかし、配賦基準の変更や部門の統廃合など長年の運用でその都度“職人技”で対応してきた計算式や表記の変更が正しく反映されているかどうかを確認する作業に、時間と手間がかかっていました。

たとえば月次決算の資料作成では、経理部門が月末の最終営業日に基幹システムから必要なデータを抽出し、資料を作成後、数字に問題がないかをチェックして各部門長へ配信するまでに月初7営業日はかかっていました。

また、経営戦略推進室に社員が入社、異動してきた際には、複雑になってしまったExcelデータの操作説明や注意事項をしっかり伝えねばならず、新任の社員もExcelデータの構造と数字の裏側まで理解し、適正な予算の考察や戦略立案までできるようになるまで期間がかかってしまうことも課題でした。そのため、人員が入れ替わっても問題なく対応できるよう、属人化してしまった資料の作成業務をシステムによって平準化することになったのです。

コスト削減や効率化だけでなく、より良い意思決定に向けた分析の高度化のために導入を決定

ー 経営管理の課題を受け、サービスの比較検討はどのように進行したのでしょうか。

浅野様:4年ほど前の2021年頃、ちょうど新型コロナウイルスの感染拡大が続いていた頃からさまざまなサービスの導入を検討していました。しかし、コロナ禍の影響で業界全体の先行きが不透明だったこと、弊社の課題を解決できるサービスが見つからなかったため、サービスの比較検討に留まっていました。

ー Loglass 経営管理を選定いただいた決め手をお聞かせください。

浅野様:Loglass 経営管理で最も評価したポイントは、予算策定だけでなく予実管理まで対応していることでした。他社サービスの場合は予算策定に機能が留まっていることが多く、予実管理は追加の利用料が必要なオプション機能扱いでコスト面や機能面に疑問が残りました。Loglass 経営管理は予算はもちろん、部門別・物流センター別の予実まで細かく可視化できる点を最も高く評価しています。

Loglass 経営管理の操作性についても高評価です。たとえば、これまでは各部門の費用項目の内容が分からず、各部門から費用明細を経理部門等に問い合わせしていましたが、Loglass 経営管理であればワンクリックで費用の内訳を確認することができます。これによって各部門長から経営戦略推進室や経理部門への問い合わせを減らすことができるようになります。また、導入後の手厚いサポート体制も決め手のひとつです。

ー Loglass 経営管理の導入について、社内の合意はどのように得ましたか。

浅野様:新しいシステム導入に対して経営層からの合意を得るため、他社との比較検討表を提示したり、役員会では費用に対する業務の変化、導入後できるようになること、「なぜExcelではなく専用のサービスが必要なのか」を説明したりと、理解を得るための工夫を重ね、粘り強くLoglass 経営管理の必要性を訴え続けました。その結果、Loglass 経営管理の導入について無事に役員会の承認が得られました。

また、弊社の会長と社長が会議や社員向けの発信でよく口にするのが、「作業はシステムに任せ、社員は人にしかできない価値ある仕事を」というフレーズです。そのためLoglass 経営管理についても、もちろんコスト削減や業務の効率化という側面もありつつ、その上で今までExcelでは出来なかった分析の高度化を推し進め、より良い意思決定を実現したいという強い思いが、導入を決めた背景です。

計算科目機能で独自のKPI指標をレポートに追加。機能のアップデートや追加、手厚いサポートを評価

ー Loglass 経営管理の導入はどのように進行しましたか。

浅野様:Loglass 経営管理の導入は、「何のデータを引っ張り、どのように扱うか」という整理からスタートしました。その後、以前のExcel上で算出していた独自の指標を、Loglass 経営管理のレポートでも確認できるように計算科目機能を活用しながら設定を進めています。この計算科目機能は、Loglass 経営管理に格納したデータの中で売上や費用、粗利といった項目と実数を用いた計算式を作成することで任意の科目を設定し、自社独自のKPI指標レポートに任意で表示できる機能です。

一例を挙げると、一般的な粗利(売上総利益)と区別し、弊社では商品売買益のみの粗利を「日報粗利」と呼称し、独自の指標として主に営業担当者が用いています。通常の粗利とは異なる、弊社独自の計算式で算出される指標がいくつか存在したために最初はLoglass 経営管理で実現できるか不安でしたが、ログラス社の担当の方にサポートいただいたことで問題なく設定することができました。現在は「日報粗利」以外にもさまざまな指標をレポート上で確認できるようにしています。

こうした弊社独自の指標は、経営層や現場社員からの要望に応えたり、社員のパフォーマンスを明らかにして評価したりするためにさまざまな過程を経て編み出された、まさに弊社独自の文化とも呼べるものです。この文化をExcel上だけではなく、Loglass 経営管理でも再現できて良かったです。

計算科目機能だけでなく、以前は実装されていなかった機能が追加されていたり、機能が拡張されたりと、オンプレミス型のサービスにはないクラウドベースならではのSaaSの強みを感じています。

ー 特に活用しているLoglass 経営管理の機能をお聞かせください。

浅野様:本来は物流センターにかかる費用を、営業部門が一時的に負担しているケースが少なくありません。これまでは一つひとつの費用をExcel上で確認し、明細を確認して費用負担を営業部門から物流センターへと戻すアナログな作業が発生していました。この作業がまさに“職人技”で費用や物流センターごとに細かく条件が分かれており、それらの条件すべてをLoglass 経営管理のシステム上でも再現できるかどうかは不透明でした。

そこでログラス社の担当の方にご紹介いただき、活用することになった機能が加工設定機能です。明細に書かれたキーワードなどを認識し、条件に沿った特定の処理がなされるように設定しています。この機能のおかげで、これまで目視と手作業で対応してきた業務を大きく効率化できるようになりました。

ー Loglass 経営管理の導入では、どのようなサポートを受けましたか。

浅野様:Loglass 経営管理の導入で難航したのが、通常業務でなかなか時間を確保できず、経営戦略推進室と経理部門で十分な連携ができなかった点です。ログラス社の担当の方に率直な悩みとしてご相談したところ、お打ち合わせの場で経営戦略推進室と経理部門の認識をすり合わせていただけました。

また、弊社社員ですら理解するのは簡単ではない弊社独自の指標や複雑な業務フローを丁寧にヒアリングいただき、しっかり理解いただいた上でご対応いただき、とても感謝しています。途中で何度も迷路に迷い込みかけましたが、弊社の状況に即した的確なアドバイスに助けていただきました。弊社ではLoglass 経営管理以外にもさまざまなサービスを導入していますが、DX推進の担当者からも「ログラスさんほど手厚いサポートをしてくれる会社はないです」との声を聞いています。

1日はかかるデータの流し込みから資料作成が1時間で完了。浮いたリソースをより重要な仕事へ

ー Loglass 経営管理の導入によって、経営戦略推進室の業務にはどのような変化がありましたか。

浅野様:経営層や各部門長から経営戦略推進室に求められる指標である各物流センター別の売上や収支、粗利、配送件数、配送あたりの売上、そして1ピックあたりの売上、費用、粗利までの粒度で、Loglass 経営管理にデータをミスなく連携し、いつでも確認できる環境を整えることができました。期間別や物流センター別など、ひとつのシステム内で数字を見たい形で加工できるようになった点は、とても助かっています。

月次や四半期別といった期間比較については、経理担当者が基幹システムからデータを抽出し、経営戦略推進室がExcelで手作業による集計をしなくとも、Loglass 経営管理の操作で実行できるようになっています。資料によっては、データの流し込みから加工までに1日かかっていた作業が、たった1時間で完了できるようになっています。浮いた余力と時間を資料の精度向上やアライアンス関連、そして「作業はシステムに任せ、社員は人にしかできない価値ある仕事を」に沿ったより高度な分析などに回すことができています。

ー Loglass 経営管理の導入によって、経営戦略推進室以外の業務にはどのような変化がありましたか。

浅野様:営業部門が費用データをLoglass 経営管理から直接確認できるようになり、経理部門への問い合わせが不要になっています。見たいデータをすぐに確認できる環境に対して評価の声が届いています。

これまでは特に経理が忙しい月末のタイミングは、すぐには必要なデータが返ってきませんでした。また、営業部門が直接基幹システムを操作してしまうと、数字が崩れてしまう可能性があったためにアカウントを共有できませんでしたが、Loglass 経営管理の場合はアカウントの権限によって閲覧できる範囲を制限できるので、安心して営業部門に展開できています。

数字の可視化から管理会計の高度化へ。創業100周年に向け、持続可能な成長を続けたい

ー 今後の展望についてお聞かせください。

浅野様:弊社全体で取り組んでいるのが、物流効率の向上です。物流センターの売上を向上しつつ、委託運賃や庫内作業費、保管料といったそれぞれの費用を抑えることで物流センターごとの収益力を高めていき、2034年の創業100周年に向けて持続可能な成長を目指したいと考えています。

物流センター別や1ピックあたりといった粒度に加えて、今後は新しい切り口からの分析、例えばレストランやカフェ、ホテルなど、顧客の業態別で収支を比較・管理するなど、更なる分析の高度化にも取り組んでいきたいと考えています。

ー 予実管理に課題を感じている方へ、メッセージをお願いいたします。

浅野様:弊社のように拠点が多く、配賦の処理が複雑な組織、企業で、Excelによる職人技でなんとか管理をしている企業にこそ、Loglass 経営管理は最適なツールです。弊社の場合、多数の営業拠点と物流センターがあり、取りまとめなければならないシートもたくさんあり、とても苦労していました。Excelのメンテナンスや更新に手間がかかっているのなら検討してみてはいかがでしょうか。予実管理の業務が効率化されるだけでなく、Excelでは出来なかった軸での分析など、より良い意思決定を実現できるかと思います。

株式会社久世

複数の営業・物流拠点の数字を集約。独自指標の可視化や、意思決定に必要な切り口でのデータ比較もLoglass 経営管理で実現

業種
卸・小売・物流
従業員数
301〜1,000名
公開日
2025-04-07
株式会社久世
業界
卸・小売・物流
導入サービス
Loglass 経営管理
従業員数
301〜1,000名
Loglass導入の背景と効果
課題
決め手
効果

複数の拠点ごとに費用や収益を計上。これらの部門別のPLと物流指標を用いた資料の一体運用が課題だった

ー 貴社ならではの経営管理の特徴と、今回Loglass 経営管理を導入された業務をお聞かせください。

浅野様:弊社の経営戦略推進室は、いわゆる経営企画部門であり、中期計画や予算の策定、上場に関する業務、IR、広報、他社や外部機関とのアライアンス窓口、グループ会社管理からDX戦略の立案・推進まで、幅広い業務を担っております。

業務用食材の卸売業を営む弊社は、部門数が多いことが特徴です。4つの本部と1つの事業部の下に、23の部と支店、更に37の課・営業所・物流センターと、合計で50以上の部門や拠点を抱えており、それぞれの部門や拠点ごとに費用や収益を計算しています。

今回、Loglass 経営管理を導入したのは、各部門別のPLと物流センター収支資料との一体化のほか、パターン別の業績見込み資料の作成を容易にすることが目的でした。作成した資料は、経営層の経営判断や長期ビジョンの策定、各部門長の予算の進捗状況や物流センター収支の確認、そして今後の対応施策の為のベース資料として活用されます。

ー 貴社の事業モデルにおける重要な指標についてお聞かせください。

浅野様:PLに関しては予実差の要因や増加の大きい勘定科目の分析が重要です。また、各物流センター別の売上や収支、粗利、配送件数、配送あたりの売上、さらには1ピック(商品1つの取り出し)あたりの売上、費用、粗利までの粒度で数字が求められます。物流センター全体の数字から細分化するよりも、1ピックあたりの数字、ひとつの物流センターあたりの数字といったように細かい数字から全体の数字を可視化していくアプローチの方が分かりやすいのです。

最終的には、物流センターあたりの稼働率を算出し、上手く稼動できているか、不採算の物流センターなのかどうかを判断し、物流センターの統廃合や物流センターの拡張、増設など意思決定に反映されていきます。

ー 経営管理における理想像と、Loglass 経営管理を導入する前の課題を教えていただけますでしょうか。

浅野様:各部門長や経営層から求められる資料作成の時間をできる限り短縮すること、部門別・物流センター別の予実をひとつのツール内で可視化すること、そして分析や対応策の構築といった業務により多くの時間を割けている状態を理想としていました。

これまで弊社では、各部門別の予算策定と予実対比、業績見込みなどの資料はすべてExcelで作成していました。しかし、配賦基準の変更や部門の統廃合など長年の運用でその都度“職人技”で対応してきた計算式や表記の変更が正しく反映されているかどうかを確認する作業に、時間と手間がかかっていました。

たとえば月次決算の資料作成では、経理部門が月末の最終営業日に基幹システムから必要なデータを抽出し、資料を作成後、数字に問題がないかをチェックして各部門長へ配信するまでに月初7営業日はかかっていました。

また、経営戦略推進室に社員が入社、異動してきた際には、複雑になってしまったExcelデータの操作説明や注意事項をしっかり伝えねばならず、新任の社員もExcelデータの構造と数字の裏側まで理解し、適正な予算の考察や戦略立案までできるようになるまで期間がかかってしまうことも課題でした。そのため、人員が入れ替わっても問題なく対応できるよう、属人化してしまった資料の作成業務をシステムによって平準化することになったのです。

コスト削減や効率化だけでなく、より良い意思決定に向けた分析の高度化のために導入を決定

ー 経営管理の課題を受け、サービスの比較検討はどのように進行したのでしょうか。

浅野様:4年ほど前の2021年頃、ちょうど新型コロナウイルスの感染拡大が続いていた頃からさまざまなサービスの導入を検討していました。しかし、コロナ禍の影響で業界全体の先行きが不透明だったこと、弊社の課題を解決できるサービスが見つからなかったため、サービスの比較検討に留まっていました。

ー Loglass 経営管理を選定いただいた決め手をお聞かせください。

浅野様:Loglass 経営管理で最も評価したポイントは、予算策定だけでなく予実管理まで対応していることでした。他社サービスの場合は予算策定に機能が留まっていることが多く、予実管理は追加の利用料が必要なオプション機能扱いでコスト面や機能面に疑問が残りました。Loglass 経営管理は予算はもちろん、部門別・物流センター別の予実まで細かく可視化できる点を最も高く評価しています。

Loglass 経営管理の操作性についても高評価です。たとえば、これまでは各部門の費用項目の内容が分からず、各部門から費用明細を経理部門等に問い合わせしていましたが、Loglass 経営管理であればワンクリックで費用の内訳を確認することができます。これによって各部門長から経営戦略推進室や経理部門への問い合わせを減らすことができるようになります。また、導入後の手厚いサポート体制も決め手のひとつです。

ー Loglass 経営管理の導入について、社内の合意はどのように得ましたか。

浅野様:新しいシステム導入に対して経営層からの合意を得るため、他社との比較検討表を提示したり、役員会では費用に対する業務の変化、導入後できるようになること、「なぜExcelではなく専用のサービスが必要なのか」を説明したりと、理解を得るための工夫を重ね、粘り強くLoglass 経営管理の必要性を訴え続けました。その結果、Loglass 経営管理の導入について無事に役員会の承認が得られました。

また、弊社の会長と社長が会議や社員向けの発信でよく口にするのが、「作業はシステムに任せ、社員は人にしかできない価値ある仕事を」というフレーズです。そのためLoglass 経営管理についても、もちろんコスト削減や業務の効率化という側面もありつつ、その上で今までExcelでは出来なかった分析の高度化を推し進め、より良い意思決定を実現したいという強い思いが、導入を決めた背景です。

計算科目機能で独自のKPI指標をレポートに追加。機能のアップデートや追加、手厚いサポートを評価

ー Loglass 経営管理の導入はどのように進行しましたか。

浅野様:Loglass 経営管理の導入は、「何のデータを引っ張り、どのように扱うか」という整理からスタートしました。その後、以前のExcel上で算出していた独自の指標を、Loglass 経営管理のレポートでも確認できるように計算科目機能を活用しながら設定を進めています。この計算科目機能は、Loglass 経営管理に格納したデータの中で売上や費用、粗利といった項目と実数を用いた計算式を作成することで任意の科目を設定し、自社独自のKPI指標レポートに任意で表示できる機能です。

一例を挙げると、一般的な粗利(売上総利益)と区別し、弊社では商品売買益のみの粗利を「日報粗利」と呼称し、独自の指標として主に営業担当者が用いています。通常の粗利とは異なる、弊社独自の計算式で算出される指標がいくつか存在したために最初はLoglass 経営管理で実現できるか不安でしたが、ログラス社の担当の方にサポートいただいたことで問題なく設定することができました。現在は「日報粗利」以外にもさまざまな指標をレポート上で確認できるようにしています。

こうした弊社独自の指標は、経営層や現場社員からの要望に応えたり、社員のパフォーマンスを明らかにして評価したりするためにさまざまな過程を経て編み出された、まさに弊社独自の文化とも呼べるものです。この文化をExcel上だけではなく、Loglass 経営管理でも再現できて良かったです。

計算科目機能だけでなく、以前は実装されていなかった機能が追加されていたり、機能が拡張されたりと、オンプレミス型のサービスにはないクラウドベースならではのSaaSの強みを感じています。

ー 特に活用しているLoglass 経営管理の機能をお聞かせください。

浅野様:本来は物流センターにかかる費用を、営業部門が一時的に負担しているケースが少なくありません。これまでは一つひとつの費用をExcel上で確認し、明細を確認して費用負担を営業部門から物流センターへと戻すアナログな作業が発生していました。この作業がまさに“職人技”で費用や物流センターごとに細かく条件が分かれており、それらの条件すべてをLoglass 経営管理のシステム上でも再現できるかどうかは不透明でした。

そこでログラス社の担当の方にご紹介いただき、活用することになった機能が加工設定機能です。明細に書かれたキーワードなどを認識し、条件に沿った特定の処理がなされるように設定しています。この機能のおかげで、これまで目視と手作業で対応してきた業務を大きく効率化できるようになりました。

ー Loglass 経営管理の導入では、どのようなサポートを受けましたか。

浅野様:Loglass 経営管理の導入で難航したのが、通常業務でなかなか時間を確保できず、経営戦略推進室と経理部門で十分な連携ができなかった点です。ログラス社の担当の方に率直な悩みとしてご相談したところ、お打ち合わせの場で経営戦略推進室と経理部門の認識をすり合わせていただけました。

また、弊社社員ですら理解するのは簡単ではない弊社独自の指標や複雑な業務フローを丁寧にヒアリングいただき、しっかり理解いただいた上でご対応いただき、とても感謝しています。途中で何度も迷路に迷い込みかけましたが、弊社の状況に即した的確なアドバイスに助けていただきました。弊社ではLoglass 経営管理以外にもさまざまなサービスを導入していますが、DX推進の担当者からも「ログラスさんほど手厚いサポートをしてくれる会社はないです」との声を聞いています。

1日はかかるデータの流し込みから資料作成が1時間で完了。浮いたリソースをより重要な仕事へ

ー Loglass 経営管理の導入によって、経営戦略推進室の業務にはどのような変化がありましたか。

浅野様:経営層や各部門長から経営戦略推進室に求められる指標である各物流センター別の売上や収支、粗利、配送件数、配送あたりの売上、そして1ピックあたりの売上、費用、粗利までの粒度で、Loglass 経営管理にデータをミスなく連携し、いつでも確認できる環境を整えることができました。期間別や物流センター別など、ひとつのシステム内で数字を見たい形で加工できるようになった点は、とても助かっています。

月次や四半期別といった期間比較については、経理担当者が基幹システムからデータを抽出し、経営戦略推進室がExcelで手作業による集計をしなくとも、Loglass 経営管理の操作で実行できるようになっています。資料によっては、データの流し込みから加工までに1日かかっていた作業が、たった1時間で完了できるようになっています。浮いた余力と時間を資料の精度向上やアライアンス関連、そして「作業はシステムに任せ、社員は人にしかできない価値ある仕事を」に沿ったより高度な分析などに回すことができています。

ー Loglass 経営管理の導入によって、経営戦略推進室以外の業務にはどのような変化がありましたか。

浅野様:営業部門が費用データをLoglass 経営管理から直接確認できるようになり、経理部門への問い合わせが不要になっています。見たいデータをすぐに確認できる環境に対して評価の声が届いています。

これまでは特に経理が忙しい月末のタイミングは、すぐには必要なデータが返ってきませんでした。また、営業部門が直接基幹システムを操作してしまうと、数字が崩れてしまう可能性があったためにアカウントを共有できませんでしたが、Loglass 経営管理の場合はアカウントの権限によって閲覧できる範囲を制限できるので、安心して営業部門に展開できています。

数字の可視化から管理会計の高度化へ。創業100周年に向け、持続可能な成長を続けたい

ー 今後の展望についてお聞かせください。

浅野様:弊社全体で取り組んでいるのが、物流効率の向上です。物流センターの売上を向上しつつ、委託運賃や庫内作業費、保管料といったそれぞれの費用を抑えることで物流センターごとの収益力を高めていき、2034年の創業100周年に向けて持続可能な成長を目指したいと考えています。

物流センター別や1ピックあたりといった粒度に加えて、今後は新しい切り口からの分析、例えばレストランやカフェ、ホテルなど、顧客の業態別で収支を比較・管理するなど、更なる分析の高度化にも取り組んでいきたいと考えています。

ー 予実管理に課題を感じている方へ、メッセージをお願いいたします。

浅野様:弊社のように拠点が多く、配賦の処理が複雑な組織、企業で、Excelによる職人技でなんとか管理をしている企業にこそ、Loglass 経営管理は最適なツールです。弊社の場合、多数の営業拠点と物流センターがあり、取りまとめなければならないシートもたくさんあり、とても苦労していました。Excelのメンテナンスや更新に手間がかかっているのなら検討してみてはいかがでしょうか。予実管理の業務が効率化されるだけでなく、Excelでは出来なかった軸での分析など、より良い意思決定を実現できるかと思います。

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トヨタユナイテッド静岡株式会社
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