カルチュア・エクスペリエンス株式会社

「管理会計の数字は素早くシンプルに」 年間コスト30%削減&商材・事業・部門別分析でベストな投資判断を実現

卸・小売・物流
従業員数
301〜1,000名

TSUTAYAや蔦屋書店といったFC事業を展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社のFC事業と、商品の調達や在庫管理、物流などを手掛ける日販グループホールディングス株式会社の合弁会社、株式会社MPDの卸事業を統合する形で始動したカルチュア・エクスペリエンス株式会社。「地域に交流を生む新しい時代の体験型書店」を日本全国へ広げていくことをミッションに掲げ、FC事業と卸事業、そして新規事業を展開しています。

今回お話を伺ったLoglass 経営管理の導入は、2社の管理会計の仕組みとツールを統合することからスタートしました。異なるビジネスモデルの管理会計を統一し、より正確でスピーディな経営判断を実現するために導入されたLoglass 経営管理について、社長室経営企画の井戸様、髙橋様に導入の経緯や運用開始後の効果についてお話しいただきました(2024年11月取材)。

お話を伺った方

社長室 経営企画 井戸 大志様

社長室 経営企画 髙橋 優太様

POINT

  • 異なる指標で管理されていた管理会計を統合し、配賦金額の算出から部門別集計までを一元管理
  • 管理会計システムの年間コストを30%削減。数字のミスゼロを達成
  • 事業別に加え、商材別の分析が可能になったことで、よりデータドリブンな経営判断を実現

2社統合で、FC事業と卸事業の管理会計を統一することになり、新たな経営管理システムを検討

ー 貴社ならではの経営管理の特徴と重視している指標をお聞かせください。

井戸様:弊社はもともと、TSUTAYAや蔦屋書店といったFC事業を展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社(以下、CCC)のFC事業と、商品の調達や在庫管理、物流などを手掛ける日販グループホールディングス株式会社の合弁会社である株式会社MPD(以下、MPD)の卸事業、それぞれを統合する形で始動した会社です。

髙橋様:弊社のビジネスモデルにおいて最も重要な指標が、店舗数です。店舗数を増やし、店舗あたりの売上げを向上させ、流通量を増やしていくことが弊社事業における成長のカギです。

私たち経営企画では店舗数はもちろん、FC事業や卸事業といった事業別の収益と、書籍や文具、レンタルDVD、トレーディングカードといった商材別の収益を日々収集し、分析しています。経営会議やFC加盟企業向けの報告資料を経営企画が作成する際は、FC本部の利益だけではなく、事業別・商材別といった切り口で売上と営業利益、前年差といった数字を必ず明記しています。

ー Loglass 経営管理を導入いただく以前は、どのようなツールで経営管理をしていたのでしょうか。

井戸様:弊社が立ち上がる前は、CCC側が他社システムを、MPD側では表計算ソフトを使用していました。それが2023年10月の統合に伴って経営管理も統一することになったのです。ただ、事業別・商材別など縦で確認するデータが200項目も蓄積されていたため、当初は新しいシステムの導入ではなく、CCC側で使用していたシステムにまとめる形で運用を開始しました。

ー 以前の経営管理では、どのような課題を抱えていたのでしょうか。

井戸様:最も大きな課題だったのが、利益構造が違うFC事業や卸事業を無理やりひとつのフォーマットにまとめたため、分析したくともできない状態だったことです。FC事業が使ってきた業務データ管理プラットフォームは、原価率が低いFCビジネスモデルに最適化された設定になっており、商品の仕入れが発生するために原価率が高い卸事業とは相性が悪かったのです。

具体的には、部門別の配賦金額の算出と付け替え処理について簡単に設定ができませんでした。そのため月次で経理管理の数字を締めるにあたって、Excel上で別途配賦金額を算出する作業が毎月10時間も発生してしまっていたのです。

髙橋様:その他に解決したかった課題として、運用コストが高額であったことです。CCC側のFC事業が使ってきた業務データ管理プラットフォームは自由度がとても高いツールだったこともあり、導入時にはCCC用に機能や仕組みを別途開発会社さんに開発してもらっていたのです。そのため、月額利用料が高いだけでなく、設定を変更して運用方法を大きく変えるには当時の開発会社さんにご依頼する必要があり、もちろん追加の修繕費がかかってしまいます。

「こうした課題を解決し、FC事業や卸事業の経営管理をより正しく統合させるため、新しい経営管理の方法に乗り換えるべき」と現場で判断し、システムの選定が始まりました。

導入と運用のシンプルさが決め手に。配賦金額の算出、部門別集計までをひとつのツールで

ー 新しい経営管理の方法を検討するにあたり、どのような選択肢で比較検討されたのでしょうか。

井戸様:「管理会計 システム」といったキーワードで検索するなかで出会ったのがLoglass 経営管理でした。CCC側のFC事業が以前から使用していたシステムを改修して引き続き使用する選択肢と、以前から弊社の財務会計で使用していた会計ソフトのオプション機能を活用して管理会計までカバーする選択肢、そしてLoglass 経営管理に乗り換える選択肢の3択で検討しました。

ー Loglass 経営管理を選んでいただいた決め手をお聞かせください。

髙橋様:Loglass 経営管理導入決定後の社内説明会で一番最初に社員へ伝えたことなのですが、以前のシステムからLoglass 経営管理へ移行することで、管理会計システムの年間コストが30%も削減されることが導入の決め手でした。数百万単位でのコスト削減のインパクトはかなり大きかったです。

機能面の評価では、各部門の配賦金額の集計と算出、付け替え処理までをひとつのシステム内で完結できること、そのための初期設定と運用がシンプルで簡単であることがポイントでした。既存のシステム内では配賦金額の算出と付け替え処理ができなかったことでExcelによる処理が必要でしたので、Loglass 経営管理にまとめられれば大きく効率化できます。

また、比較していた会計ソフトに付属した管理会計のオプション機能とは違い、最初から管理会計のためのツールとしてデザインされている点は高評価でした。たとえば、部門マスタや科目マスタがしっかり用意されていたり、経営判断に必要な切り口で業績を取りまとめる機能が使いやすかったりと、私たち経営企画が必要とする機能が揃っているなという印象です。

200項目の配賦設定をひとりで完了。社内ではレポート・推移表・対比表を活用

ー Loglass 経営管理の導入はどのように進行しましたか。

髙橋様:導入フェーズは2つのステップを踏みました。

Step 1: 社内における経営管理情報のマスタとなるデータの集約

Step 2: 管理部門にてLoglass 経営管理内で分析、意思決定ができている状態

Step 1はおよそ1ヶ月で完了し、現在すでにLoglass 経営管理のレポート機能を使って、経営層への報告資料を作成していますので、Step 2まで達成できています。

Loglass 経営管理を導入するにあたって、私が特に時間をかけたのは配賦設定です。もともとExcelで配賦金額を算出する業務を担当していたこともあり、大変な作業になることは想定内でした。事業別・商材別など200項目のマスタを一つひとつルールと一緒に登録し、さらに部門ごとの配賦基準を算出する計算式を設定しています。何度も配賦処理をテスト実行し、以前の仕組みと1円単位で数字が合うように調整を繰り返しました。

もうひとつ導入フェーズで時間をかけたのは、レポート機能の設定です。経営層にレポートに対する要望をヒアリングしたところ、今後の成長が期待される新規アイテムや新規サービスの実績数値がパッと見て分かるように調整しました。新しいアイテムやサービスは実績が大きくないために「その他」として括られがちですが、今後注力していくかどうかを判断するために新しく配賦設定を追加し、個別に数字を確認できるように工夫しています。

ー Loglass 経営管理の導入にあたって、弊社からはどのようなサポートを受けましたか。

髙橋様:配賦設定に関して何度も質問やご相談をさせていただきましたが、定例ミーティング以外の場でもすべて丁寧に打ち返していただきました。こちらの質問に対する回答だけでなく、「こういった分析軸も設定できますよ」といったご提案までいただいた点も印象に残っています。たとえば当初は店舗数はLoglass 経営管理ではKPIとして管理できないかもと思ったのですが、弊社担当の方にアドバイスをいただいたおかげでレポート機能の中で実績数値として追えるようになりました。

ー Loglass 経営管理の社内展開はどのように進行しましたか。

髙橋様:各部署・各視点の部長・課長級以上の社員、およそ40名にLoglass 経営管理のアカウントを発行し、社員自身でレポート、推移表、対比表の3種類で実績をいつでも確認できるようにしています。それぞれの機能は以下のように使い分けています。

・レポート:科目・部署を組み替えて実績確認をする場合

・推移表:特定の部署で予算・見込・実績の推移を確認する場合

・対比表:特定の部署で予算・見込・実績の月別対比を確認する場合

3つの機能の閲覧・操作方法についてまとめたマニュアルを配布し、それをもとにオンライン説明会を実施しています。正直なところ一部の現場からは新しい仕組みに対して反発の声も出てくるかもと思っていたのですが、実際に説明会をしてみると想定していたよりもスムーズに受け入れられ、ほっと安心しました。

ツールの年間コストを30%削減し、数字のミスはゼロに。事業や部門をまたいだ商材別分析が可能になった

ー Loglass 経営管理によって、どのような効果が得られていますか。

井戸様:年間1000万円単位でかかっていたシステムのコストを30%削減しつつ、事業KPIの管理手法を一元化できたことが最も大きな成果だと感じています。また、毎月10時間発生していたExcel上で配賦金額を算出する作業もなくなっています。

これにより、今までは月次の決算を締めてから配賦金額の算出を始め、なんとか8営業日以内に収めていましたが、現在は決算が締まる前から新しい部門や科目が増えていないか確認し、増えていれば前倒しで設定を進められるようになりました。このおかげで管理会計に取り組む作業時間が自由になり、直近では決算日当日のレポートリリースもできました。私個人にとっては、最も嬉しい成果ですね。

髙橋様:決算日当日リリースに加え、数字のミスがゼロになっていることも特筆すべき点です。以前の業務フローでは、たとえばマスタですべての配賦割合を合計するとなぜか100%を越えてしまっていたり、増えていたはずの部門を追加し忘れていたりと、細かいミスがあってもExcel上で計算するために気の利いた警告などは表示されません。しかしLoglass 経営管理であればミスやミスらしき入力があると分かりやすく指摘してくれます。このおかげでミスなく決算日当日に社内へリリースできるようになりました。

ー Loglass 経営管理は、経営の意思決定に対してどのように貢献できているのでしょうか。

井戸様:これまで社内では事業別の損益ばかりを重視する傾向があったのですが、現在は商材別の視点でも分析できるようになり、より効果的な経営判断を下せるようになったと感じています。

弊社の特徴なのですが、営業系や商社系、物流系といった機能別組織であり、事業別、もっと言えば組織別で数字を見る傾向がありました。しかしよく考えれば、たとえば本という商材を扱う物流系の部署では業績は悪くとも、店舗における本の業績は非常に良いかもしれず、そうであればより本の仕入れ、物流に力を入れて供給しなければという判断もありえます。

また、店舗のレンタルの業績が悪くとも、各部門に散らばっていたレンタルの数字を集めると、レンタルの物流や、FC加盟企業に対するレンタルのロイヤリティが好調というケースもあります。こうした視点の転換がLoglass 経営管理によって簡単になったことは、より正しい経営判断につながっているものと考えています。

多角化戦略に伴う新規事業の業績を管理し、ベストな投資判断になるよう貢献していきたい

ー 今後の展望についてお聞かせください。

井戸様:FC事業と卸事業を展開する弊社では今後、扱うアイテムやサービスの多角化を進めていきます。これまで扱ってきた書籍や文具、レンタルDVDだけでなく、ジムやピラティス専門店などの出店を行っており、こうした新規事業の業績についてもしっかり管理し、経営層がベストな投資判断を下していけるよう、サポートしていきたいですね。

髙橋様:まったく新しい切り口の収益源が生まれても素早く対応できるよう、環境を整えておくことは経営企画の義務だと考えています。今回の取り組みで配賦に関する工数は大きく削減されましたが、まだまだ効率化できる作業は残っているはずです。Loglass 経営管理の機能をもっと活用し、業務の効率化とスピーディな対応で経営に貢献していければと思います。

ー 取材の最後に、管理会計に課題を感じている方へのメッセージをお願いします。

井戸様:「管理会計はシンプルに考えるべき」という言葉に尽きます。どういう数字を経営に見せたいのかを考え、その考えに沿った科目マスタと組織マスタを構築することこそが管理会計のすべてだと言っても過言ではありません。

配賦率でずっと悩んだり、我流でExcelをいじったりするよりも、Loglass 経営管理のようなツールにまるっと任せて進めていけば、きれいな管理会計は意外と簡単に実現できるのではないでしょうか。

カルチュア・エクスペリエンス株式会社

「管理会計の数字は素早くシンプルに」 年間コスト30%削減&商材・事業・部門別分析でベストな投資判断を実現

業種
卸・小売・物流
従業員数
301〜1,000名
公開日
2025-03-17
カルチュア・エクスペリエンス株式会社
業界
卸・小売・物流
導入サービス
Loglass 経営管理
従業員数
301〜1,000名
Loglass導入の背景と効果
課題
決め手
効果

2社統合で、FC事業と卸事業の管理会計を統一することになり、新たな経営管理システムを検討

ー 貴社ならではの経営管理の特徴と重視している指標をお聞かせください。

井戸様:弊社はもともと、TSUTAYAや蔦屋書店といったFC事業を展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社(以下、CCC)のFC事業と、商品の調達や在庫管理、物流などを手掛ける日販グループホールディングス株式会社の合弁会社である株式会社MPD(以下、MPD)の卸事業、それぞれを統合する形で始動した会社です。

髙橋様:弊社のビジネスモデルにおいて最も重要な指標が、店舗数です。店舗数を増やし、店舗あたりの売上げを向上させ、流通量を増やしていくことが弊社事業における成長のカギです。

私たち経営企画では店舗数はもちろん、FC事業や卸事業といった事業別の収益と、書籍や文具、レンタルDVD、トレーディングカードといった商材別の収益を日々収集し、分析しています。経営会議やFC加盟企業向けの報告資料を経営企画が作成する際は、FC本部の利益だけではなく、事業別・商材別といった切り口で売上と営業利益、前年差といった数字を必ず明記しています。

ー Loglass 経営管理を導入いただく以前は、どのようなツールで経営管理をしていたのでしょうか。

井戸様:弊社が立ち上がる前は、CCC側が他社システムを、MPD側では表計算ソフトを使用していました。それが2023年10月の統合に伴って経営管理も統一することになったのです。ただ、事業別・商材別など縦で確認するデータが200項目も蓄積されていたため、当初は新しいシステムの導入ではなく、CCC側で使用していたシステムにまとめる形で運用を開始しました。

ー 以前の経営管理では、どのような課題を抱えていたのでしょうか。

井戸様:最も大きな課題だったのが、利益構造が違うFC事業や卸事業を無理やりひとつのフォーマットにまとめたため、分析したくともできない状態だったことです。FC事業が使ってきた業務データ管理プラットフォームは、原価率が低いFCビジネスモデルに最適化された設定になっており、商品の仕入れが発生するために原価率が高い卸事業とは相性が悪かったのです。

具体的には、部門別の配賦金額の算出と付け替え処理について簡単に設定ができませんでした。そのため月次で経理管理の数字を締めるにあたって、Excel上で別途配賦金額を算出する作業が毎月10時間も発生してしまっていたのです。

髙橋様:その他に解決したかった課題として、運用コストが高額であったことです。CCC側のFC事業が使ってきた業務データ管理プラットフォームは自由度がとても高いツールだったこともあり、導入時にはCCC用に機能や仕組みを別途開発会社さんに開発してもらっていたのです。そのため、月額利用料が高いだけでなく、設定を変更して運用方法を大きく変えるには当時の開発会社さんにご依頼する必要があり、もちろん追加の修繕費がかかってしまいます。

「こうした課題を解決し、FC事業や卸事業の経営管理をより正しく統合させるため、新しい経営管理の方法に乗り換えるべき」と現場で判断し、システムの選定が始まりました。

導入と運用のシンプルさが決め手に。配賦金額の算出、部門別集計までをひとつのツールで

ー 新しい経営管理の方法を検討するにあたり、どのような選択肢で比較検討されたのでしょうか。

井戸様:「管理会計 システム」といったキーワードで検索するなかで出会ったのがLoglass 経営管理でした。CCC側のFC事業が以前から使用していたシステムを改修して引き続き使用する選択肢と、以前から弊社の財務会計で使用していた会計ソフトのオプション機能を活用して管理会計までカバーする選択肢、そしてLoglass 経営管理に乗り換える選択肢の3択で検討しました。

ー Loglass 経営管理を選んでいただいた決め手をお聞かせください。

髙橋様:Loglass 経営管理導入決定後の社内説明会で一番最初に社員へ伝えたことなのですが、以前のシステムからLoglass 経営管理へ移行することで、管理会計システムの年間コストが30%も削減されることが導入の決め手でした。数百万単位でのコスト削減のインパクトはかなり大きかったです。

機能面の評価では、各部門の配賦金額の集計と算出、付け替え処理までをひとつのシステム内で完結できること、そのための初期設定と運用がシンプルで簡単であることがポイントでした。既存のシステム内では配賦金額の算出と付け替え処理ができなかったことでExcelによる処理が必要でしたので、Loglass 経営管理にまとめられれば大きく効率化できます。

また、比較していた会計ソフトに付属した管理会計のオプション機能とは違い、最初から管理会計のためのツールとしてデザインされている点は高評価でした。たとえば、部門マスタや科目マスタがしっかり用意されていたり、経営判断に必要な切り口で業績を取りまとめる機能が使いやすかったりと、私たち経営企画が必要とする機能が揃っているなという印象です。

200項目の配賦設定をひとりで完了。社内ではレポート・推移表・対比表を活用

ー Loglass 経営管理の導入はどのように進行しましたか。

髙橋様:導入フェーズは2つのステップを踏みました。

Step 1: 社内における経営管理情報のマスタとなるデータの集約

Step 2: 管理部門にてLoglass 経営管理内で分析、意思決定ができている状態

Step 1はおよそ1ヶ月で完了し、現在すでにLoglass 経営管理のレポート機能を使って、経営層への報告資料を作成していますので、Step 2まで達成できています。

Loglass 経営管理を導入するにあたって、私が特に時間をかけたのは配賦設定です。もともとExcelで配賦金額を算出する業務を担当していたこともあり、大変な作業になることは想定内でした。事業別・商材別など200項目のマスタを一つひとつルールと一緒に登録し、さらに部門ごとの配賦基準を算出する計算式を設定しています。何度も配賦処理をテスト実行し、以前の仕組みと1円単位で数字が合うように調整を繰り返しました。

もうひとつ導入フェーズで時間をかけたのは、レポート機能の設定です。経営層にレポートに対する要望をヒアリングしたところ、今後の成長が期待される新規アイテムや新規サービスの実績数値がパッと見て分かるように調整しました。新しいアイテムやサービスは実績が大きくないために「その他」として括られがちですが、今後注力していくかどうかを判断するために新しく配賦設定を追加し、個別に数字を確認できるように工夫しています。

ー Loglass 経営管理の導入にあたって、弊社からはどのようなサポートを受けましたか。

髙橋様:配賦設定に関して何度も質問やご相談をさせていただきましたが、定例ミーティング以外の場でもすべて丁寧に打ち返していただきました。こちらの質問に対する回答だけでなく、「こういった分析軸も設定できますよ」といったご提案までいただいた点も印象に残っています。たとえば当初は店舗数はLoglass 経営管理ではKPIとして管理できないかもと思ったのですが、弊社担当の方にアドバイスをいただいたおかげでレポート機能の中で実績数値として追えるようになりました。

ー Loglass 経営管理の社内展開はどのように進行しましたか。

髙橋様:各部署・各視点の部長・課長級以上の社員、およそ40名にLoglass 経営管理のアカウントを発行し、社員自身でレポート、推移表、対比表の3種類で実績をいつでも確認できるようにしています。それぞれの機能は以下のように使い分けています。

・レポート:科目・部署を組み替えて実績確認をする場合

・推移表:特定の部署で予算・見込・実績の推移を確認する場合

・対比表:特定の部署で予算・見込・実績の月別対比を確認する場合

3つの機能の閲覧・操作方法についてまとめたマニュアルを配布し、それをもとにオンライン説明会を実施しています。正直なところ一部の現場からは新しい仕組みに対して反発の声も出てくるかもと思っていたのですが、実際に説明会をしてみると想定していたよりもスムーズに受け入れられ、ほっと安心しました。

ツールの年間コストを30%削減し、数字のミスはゼロに。事業や部門をまたいだ商材別分析が可能になった

ー Loglass 経営管理によって、どのような効果が得られていますか。

井戸様:年間1000万円単位でかかっていたシステムのコストを30%削減しつつ、事業KPIの管理手法を一元化できたことが最も大きな成果だと感じています。また、毎月10時間発生していたExcel上で配賦金額を算出する作業もなくなっています。

これにより、今までは月次の決算を締めてから配賦金額の算出を始め、なんとか8営業日以内に収めていましたが、現在は決算が締まる前から新しい部門や科目が増えていないか確認し、増えていれば前倒しで設定を進められるようになりました。このおかげで管理会計に取り組む作業時間が自由になり、直近では決算日当日のレポートリリースもできました。私個人にとっては、最も嬉しい成果ですね。

髙橋様:決算日当日リリースに加え、数字のミスがゼロになっていることも特筆すべき点です。以前の業務フローでは、たとえばマスタですべての配賦割合を合計するとなぜか100%を越えてしまっていたり、増えていたはずの部門を追加し忘れていたりと、細かいミスがあってもExcel上で計算するために気の利いた警告などは表示されません。しかしLoglass 経営管理であればミスやミスらしき入力があると分かりやすく指摘してくれます。このおかげでミスなく決算日当日に社内へリリースできるようになりました。

ー Loglass 経営管理は、経営の意思決定に対してどのように貢献できているのでしょうか。

井戸様:これまで社内では事業別の損益ばかりを重視する傾向があったのですが、現在は商材別の視点でも分析できるようになり、より効果的な経営判断を下せるようになったと感じています。

弊社の特徴なのですが、営業系や商社系、物流系といった機能別組織であり、事業別、もっと言えば組織別で数字を見る傾向がありました。しかしよく考えれば、たとえば本という商材を扱う物流系の部署では業績は悪くとも、店舗における本の業績は非常に良いかもしれず、そうであればより本の仕入れ、物流に力を入れて供給しなければという判断もありえます。

また、店舗のレンタルの業績が悪くとも、各部門に散らばっていたレンタルの数字を集めると、レンタルの物流や、FC加盟企業に対するレンタルのロイヤリティが好調というケースもあります。こうした視点の転換がLoglass 経営管理によって簡単になったことは、より正しい経営判断につながっているものと考えています。

多角化戦略に伴う新規事業の業績を管理し、ベストな投資判断になるよう貢献していきたい

ー 今後の展望についてお聞かせください。

井戸様:FC事業と卸事業を展開する弊社では今後、扱うアイテムやサービスの多角化を進めていきます。これまで扱ってきた書籍や文具、レンタルDVDだけでなく、ジムやピラティス専門店などの出店を行っており、こうした新規事業の業績についてもしっかり管理し、経営層がベストな投資判断を下していけるよう、サポートしていきたいですね。

髙橋様:まったく新しい切り口の収益源が生まれても素早く対応できるよう、環境を整えておくことは経営企画の義務だと考えています。今回の取り組みで配賦に関する工数は大きく削減されましたが、まだまだ効率化できる作業は残っているはずです。Loglass 経営管理の機能をもっと活用し、業務の効率化とスピーディな対応で経営に貢献していければと思います。

ー 取材の最後に、管理会計に課題を感じている方へのメッセージをお願いします。

井戸様:「管理会計はシンプルに考えるべき」という言葉に尽きます。どういう数字を経営に見せたいのかを考え、その考えに沿った科目マスタと組織マスタを構築することこそが管理会計のすべてだと言っても過言ではありません。

配賦率でずっと悩んだり、我流でExcelをいじったりするよりも、Loglass 経営管理のようなツールにまるっと任せて進めていけば、きれいな管理会計は意外と簡単に実現できるのではないでしょうか。

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