フェイラージャパン株式会社

「販売戦略をデータで組み立てる」─「財管一元管理」の先にフェイラージャパンが見据える小売業の未来

卸・小売・物流
従業員数
301〜1,000名

「心はいつだって踊れる。」というブランドメッセージを掲げドイツの伝統工芸であるシュニール織のブランド「FEILER(以下、フェイラー)」を日本国内で展開するフェイラージャパン株式会社。企画から輸入、販売を手掛ける同社では、旗艦店である銀座本店をはじめ、百貨店・ファッションビルなど99店舗(※)の展開に加え、自社ECサイトによる販売に力を入れています。

同社の経営企画機能を担う事業推進室では、以前から経営管理BIツールを導入していたものの、財務会計と管理会計が別々に管理されていたことに課題をお持ちでした。こうした経営管理の課題を解決して財管のデータソースを一元管理し、企画部門や販売部門の方々も自ら数字を確認できる環境整備を目指して2023年6月にLoglass 経営管理をご導入いただきました。今回は事業推進室のアシスタントディレクターである小島様にお話を伺い、Loglass導入の経緯や運用開始後の導入効果についてお話しいただきました(2024年11月取材)。

※……2024年11月1日現在

お話を伺った方

事業推進室 アシスタントディレクター 小島 弘様

POINT

  • 課題だった「財務・管理会計のデータソースの一元化」をスピーディに実現
  • 店舗単位など様々な切り口で採算管理できるように
  • 企画部門と販売部門の役職者自身が経営管理の数字を確認、活用できるように
  • 「どの商品を、いくらで、どこで、どう売るか」をデータで紐解ける世界へ

「財務・管理会計のデータソースの一元化」を目指すも、既存ツールでの実現に限界

ー 事業推進室のミッションと体制を教えてください。

小島様:事業推進室の役割は予算と実績、通期の着地見込みの管理といった、会社全体のいわゆる“経営企画機能”を担っています。店頭の販売員を含めおよそ350名の社員数に対し、事業推進室は3名体制で、私が主に計数面の予実管理を担っています。

弊社は卸売業と小売業の両方を展開しており、事業の主要なKPIである売上高と営業利益、当期純利益という3項目も卸売業と小売業それぞれの数字を見られるようにしています。

3項目については通期の着地見込みを、その他にも粗利益や販管費、当月と通期の純利益などの数字を週次でまとめてレポートとして社内に共有しています。共有した資料を活用するのは、主に企画部門と販売部門です。店舗の業績把握や経営会議にはかるような投資案件、改装案件、移設案件などを目的に店舗採算をシミュレーションする際に、事業推進室がとりまとめたデータを引用、必要に応じて加工し、資料にまとめています。

また、日々の予算を組む際に、店舗別の業績を把握するためにも、販売員1人当たり販売額や1坪あたりの販売額など、事業推進室がまとめたデータを活用しています。

ー 経営管理の理想像と課題を教えてください。

小島様:財務と管理のデータソースを一元化し、より統一的な情報をもとに現場も経営陣も判断できる環境を目指しています。事業推進室がまとめたデータを使用するのは、主に企画部門と販売部門なのですが、担当者に好まれるデータはそれぞれ異なっていました。

具体的に、企画部門は商品軸の販売管理ツールを活用する傾向にあり、販売部門では店舗の業績といった管理会計を好みがちです。月次業績が締まってから事業推進室が取りまとめた財務会計情報を共有している状況にあり、結果として利益の「自分ごと化」、つまり利益に対する意識が弱まっているのではとの懸念が生じました。

財務会計では、販売管理データから売上と売上原価の数字を取り出し、売上総利益や販売管理費を計算し、最終利益を弾き出します。しかし、SKU(在庫管理上の最小単位)別、ライン別といった様々な切り口での分析では、コストの配賦や収益の紐付けが複雑となり、最終利益ベースでの評価が困難となってしまいます。

一方で、販売管理データをそのまま扱う管理会計では、店舗別の売上から粗利益まではもちろん、SKU別の売上やライン別の売上といった数字を扱います。かなり細かい粒度まで数字は見られるものの、販売管理費などを計算に入れた最終利益までは含みません。

財務と管理のデータソースを一元化することで、事業全体の最終利益と現場目線の細かい粒度の数字を一緒に分析できるようになるのではと期待していました。

ー 「財務と管理のデータソースを一元化」を目指す中で、以前の経営管理で使用していたツールに対して、どのような課題を抱えていたのでしょうか。

小島様:Loglass 経営管理を導入する以前は、Loglassとは別の経営管理BIツールとExcelの両方を使用していました。ただ、経営管理に適したデータの加工までは行っておらず、あくまで財務データを蓄積しておくだけの場所だったのです。また、基幹システムに店頭の販売データを収集、蓄積する販売管理ツールが組み込まれており、以前の経営管理BIツールとは連携できていませんでした。

おそらく以前の経営管理BIツールでも、データの加工や販売管理ツールとの連携などを実現すること自体はできたとは思うのですが、UIがユーザーフレンドリーではないため、使いにくかったのです。自由すぎる操作画面のため、自社にとって最適な設定がよく分からなかったり、見込データを取り込んでいなかったために予算と実績しか管理できなかったりと、不便に感じることが多々ありました。なお、取り込んでいなかった見込データを管理していたのがExcelです。

以上の背景から財管のデータソースをいつまでも一元化できず、現場も経営層も経営管理の仕組みを再構築すべきではと考えるようになったのです。

Loglassとの出会いのきっかけは展示会のデモ。求める経営管理体制の実現を確信

ー 経営管理システムの乗り換えにあたって、どのような機能や要素で比較検討されましたか。

小島様:経営管理を高度化させるための仕組みを求めて情報収集をしていたタイミングで、展示会の会場でLoglass 経営管理と出会いました。ブースに設置されていたモニターに表示されていた推移表をパッと見た瞬間に「この画面は分かりやすい」と感じたことを覚えています。

展示会後にはオンラインでお打ち合わせを実施させていただき、Loglass 経営管理のデモ画面を拝見しました。操作画面上の単語が分かりやすく、設定の自由度よりも経理管理に最適なデザインを優先している点が高評価です。以前に使っていた経営管理BIツールとExcelと比べて、データ量が増えても集計とアウトプットにかかる時間が短く、経営管理業務のスピードがあがることも期待できました。

Loglass 経営管理であれば求めていた経営管理の体制を実現できるはずだとの結論に至り、経営管理BIツールとExcelからの移行を社内へ提案しました。

ー Loglass 経営管理への移行について、社内ではどのように説明されましたか。

小島様:Loglass 経営管理の導入は代表決裁を仰ぐ必要がありました。説明にあたっては、財管のデータソースを一元化する重要性と経営数値の民主化、つまり企画部門と販売部門にLoglass 経営管理のデータベースを展開することで経営管理の情報を標準化し、経営に対してどのような貢献ができるかを熱意を込めて説明しています。

以前までは事業推進室が必要なデータをトレーの上に載せて企画部門と販売部門に運んでいたものが、Loglass 経営管理導入後は、企画部門と販売部門が必要に応じて必要なデータを自分で取りに行くような、ビュッフェスタイルのようなイメージと伝えました。その結果、事業全体のスピードがどれだけ向上するか、事業推進室の私の業務がどれだけ効率化されるかについても説明しています。

その後無事に代表決裁が下り、Loglass 経営管理の導入が決定しました。

カスタマーサクセスの伴走で、財管のデータソースの一元化をスピーディに実現

ー Loglass 経営管理の導入はどのように進行しましたか。

小島様:2023年4月の展示会でLoglass 経営管理と出会い、そこからトントンと進んで同年6月から導入がスタートしました。ちょうど以前に使用していた経営管理BIツールの契約期間が終わるタイミングだったこともあり、スムーズにリプレイスできました。その後は大きく3つのフェーズに分けてLoglass 経営管理の活用を進めています。

まず第1のフェーズでは、販売部門にとって重要な数字である月間の売上げ見込みを集計し、週次で更新されるデータベースの構築に取り組みました。以前に見込みを管理していたExcelからデータをLoglassに移行しています。

第2フェーズでは、これも以前はExcelで管理していた販管費の見込みをLoglass 経営管理上で管理できるように設定しました。本社の直接経費を含め、管理部門の経費を月次で更新しています。

最も時間がかかった第3フェーズでは、これまで独立していた販売管理ツール内の店頭販売データをLoglass 経営管理のデータベースに連携しました。このフェーズによって目指していた財管のデータソースの一元化をほとんど達成でき、特に財務会計の解像度が大きく向上しました。

すべてのフェーズにおいて、ログラス社の担当の方から手厚いサポートを受けられました。特に印象に残っているのが、初期設定の段階です。マスタの登録と初期設定は当初恐る恐る進めていたのですが、担当の方よりアドバイスをいただき、一括で設定を完了することができました。その他にも、打ち合わせの場で「この視点から、こういう使い方もできますよ」と弊社の経営管理に寄り添った視点からアドバイスをいただいています。

ー 特に活用いただいているLoglass 経営管理の機能をお聞かせください。

小島様:最も活用しているのは「部署別対比表」です。各店舗の数値を横並びで表示することができ、さらに百貨店インショップ、旗艦店、自社EC(フェイラー公式オンラインショップ)などの販路別にまとめて比較することもできます。よく閲覧するのは「店舗:EC」の比較ですね。また、弊社の場合は小売だけでなく、卸売によるBtoB向けの販路もありますので「小売:卸売」でも比較しています。

こうした比較ができるようになったことで、たとえば実店舗の売上げが苦戦しているときはECにリソースや商品の配置を振り分けるといった意思決定につながっています。

見れない・見づらかった数字がいつでも見られる。「自社業績をもっと身近に」へ前進

ー Loglass 経営管理を導入したことで、業務はどのように効率化できましたか。

小島様:以前は事業推進室のうち、2名体制で経営管理業務を担っていましたが、現在は私だけでも問題なく回るようになりました。さらにバラバラに分散していたデータをLoglass 経営管理に集約できたことで、扱うデータ量が増えましたが、以前と同じ時間内で処理できるようになっていますので、経営管理の業務が大きく効率化できたものと考えています。個人的にも「よくひとりでやれているな」と思う瞬間がありますね。

ー Loglass 経営管理を導入したことで、経営管理はどのように改善されましたか。

小島様:以前の経営管理に比べ、分析するデータの粒度はより細かくなりました。たとえば、これまでは勘定科目単位までしか確認できていませんでしたが、Loglass 経営管理ではさらにそのひとつ下の補助科目単位までドリルダウンできるようになっています。これによって、例えば、いままで勘定科目計で捉えていた費用の中身を固定部分と変動部分に分解して把握できるようになっています。

また、小売業のビジネスにとって、店舗ごとの粒度で採算管理できることは、経営判断にとって大きな強みです。以前のツールでも、店舗ごとの採算を把握すること自体はできていたのですが、UIが格段に良くなったことでストレスを感じません。たとえば、店舗ごとの数字を横並びに比較することで不採算の店舗を特定したり、店舗ごとの在庫管理や商品展開の判断に活かしたりと、データドリブンな判断を下すことができます。

さらに、店舗別の売上から最終利益を可視化できたことで、事業全体の最終利益にどれだけ各店舗が貢献しているかを判断できるようになりました。そこに客数や店舗の坪数、スタッフ数などの非財務情報を加えることで、今後の店舗運営や商品作りに活かしていくことも可能です。

ー Loglass 経営管理は現場に対してどのように貢献できているでしょうか

小島様:経営管理の民主化に大きな変化がありました。各部門の担当者、具体的にはアシスタントディレクター以上の役職者が、以前のツールよりも経営数字を日々の業務に役立てるようになったのです。Loglass 経営管理の導入と同時に「自社業績をもっと身近に」というスローガンを掲げた浸透施策も功を奏しました。現在、15名ほどの役職者が自らLoglass 経営管理でデータを確認しており、各々の業務やプランニングに活用しています。

「どの商品を、いくらで、どこで、どう売るか」をデータで紐解ける世界へ

ー 今後の展望を教えてください。

小島様:Loglass 経営管理を導入したことによって、財管のデータソースを一元化し、店舗レベルなど様々な粒度で採算管理できるようになりました。今後は、この経営管理基盤を活用し、4P(どんな商品(Product)を、いくら(Price)で、どのような販促(Promotion)で、どこ(Place)で届けるか)を組み立てる基盤に進化させていきたいですね。現状の達成率は3〜4割ほどですが、うまく指標を組み立てていければ、さらに事業をブーストさせることにつながるはずです。

その上で、事業推進室としては今後も経営の参謀役として、データの力をうまく活用しながら経営の意思決定をサポートしていきたいと思います。かゆい所に手が届くような、今後の意思決定を先回りするように必要なデータを揃え、活用できる形に仕上げていく取り組みは今後も続けていきます。

ー 小売業や店舗型ビジネスの予実管理に課題を感じている方へ、メッセージをお願いいたします。

小島様:実際にLoglass 経営管理を導入してみると、いい意味で想像していたより柔軟性が高いツールだと感じました。そのため、同じ小売業や店舗型ビジネスでも幅広い企業の経営管理の役に立つのではないでしょうか。特に弊社の場合のように、財務会計と管理会計(販売管理)のシステムが分断されて一元管理できていない企業や経営数値の民主化に課題を感じている企業にとっては、おすすめできるツールだと思っています。

フェイラージャパン株式会社

「販売戦略をデータで組み立てる」─「財管一元管理」の先にフェイラージャパンが見据える小売業の未来

業種
卸・小売・物流
従業員数
301〜1,000名
公開日
2025-03-04
フェイラージャパン株式会社
業界
卸・小売・物流
導入サービス
Loglass 経営管理
従業員数
301〜1,000名
Loglass導入の背景と効果
課題
決め手
効果

「財務・管理会計のデータソースの一元化」を目指すも、既存ツールでの実現に限界

ー 事業推進室のミッションと体制を教えてください。

小島様:事業推進室の役割は予算と実績、通期の着地見込みの管理といった、会社全体のいわゆる“経営企画機能”を担っています。店頭の販売員を含めおよそ350名の社員数に対し、事業推進室は3名体制で、私が主に計数面の予実管理を担っています。

弊社は卸売業と小売業の両方を展開しており、事業の主要なKPIである売上高と営業利益、当期純利益という3項目も卸売業と小売業それぞれの数字を見られるようにしています。

3項目については通期の着地見込みを、その他にも粗利益や販管費、当月と通期の純利益などの数字を週次でまとめてレポートとして社内に共有しています。共有した資料を活用するのは、主に企画部門と販売部門です。店舗の業績把握や経営会議にはかるような投資案件、改装案件、移設案件などを目的に店舗採算をシミュレーションする際に、事業推進室がとりまとめたデータを引用、必要に応じて加工し、資料にまとめています。

また、日々の予算を組む際に、店舗別の業績を把握するためにも、販売員1人当たり販売額や1坪あたりの販売額など、事業推進室がまとめたデータを活用しています。

ー 経営管理の理想像と課題を教えてください。

小島様:財務と管理のデータソースを一元化し、より統一的な情報をもとに現場も経営陣も判断できる環境を目指しています。事業推進室がまとめたデータを使用するのは、主に企画部門と販売部門なのですが、担当者に好まれるデータはそれぞれ異なっていました。

具体的に、企画部門は商品軸の販売管理ツールを活用する傾向にあり、販売部門では店舗の業績といった管理会計を好みがちです。月次業績が締まってから事業推進室が取りまとめた財務会計情報を共有している状況にあり、結果として利益の「自分ごと化」、つまり利益に対する意識が弱まっているのではとの懸念が生じました。

財務会計では、販売管理データから売上と売上原価の数字を取り出し、売上総利益や販売管理費を計算し、最終利益を弾き出します。しかし、SKU(在庫管理上の最小単位)別、ライン別といった様々な切り口での分析では、コストの配賦や収益の紐付けが複雑となり、最終利益ベースでの評価が困難となってしまいます。

一方で、販売管理データをそのまま扱う管理会計では、店舗別の売上から粗利益まではもちろん、SKU別の売上やライン別の売上といった数字を扱います。かなり細かい粒度まで数字は見られるものの、販売管理費などを計算に入れた最終利益までは含みません。

財務と管理のデータソースを一元化することで、事業全体の最終利益と現場目線の細かい粒度の数字を一緒に分析できるようになるのではと期待していました。

ー 「財務と管理のデータソースを一元化」を目指す中で、以前の経営管理で使用していたツールに対して、どのような課題を抱えていたのでしょうか。

小島様:Loglass 経営管理を導入する以前は、Loglassとは別の経営管理BIツールとExcelの両方を使用していました。ただ、経営管理に適したデータの加工までは行っておらず、あくまで財務データを蓄積しておくだけの場所だったのです。また、基幹システムに店頭の販売データを収集、蓄積する販売管理ツールが組み込まれており、以前の経営管理BIツールとは連携できていませんでした。

おそらく以前の経営管理BIツールでも、データの加工や販売管理ツールとの連携などを実現すること自体はできたとは思うのですが、UIがユーザーフレンドリーではないため、使いにくかったのです。自由すぎる操作画面のため、自社にとって最適な設定がよく分からなかったり、見込データを取り込んでいなかったために予算と実績しか管理できなかったりと、不便に感じることが多々ありました。なお、取り込んでいなかった見込データを管理していたのがExcelです。

以上の背景から財管のデータソースをいつまでも一元化できず、現場も経営層も経営管理の仕組みを再構築すべきではと考えるようになったのです。

Loglassとの出会いのきっかけは展示会のデモ。求める経営管理体制の実現を確信

ー 経営管理システムの乗り換えにあたって、どのような機能や要素で比較検討されましたか。

小島様:経営管理を高度化させるための仕組みを求めて情報収集をしていたタイミングで、展示会の会場でLoglass 経営管理と出会いました。ブースに設置されていたモニターに表示されていた推移表をパッと見た瞬間に「この画面は分かりやすい」と感じたことを覚えています。

展示会後にはオンラインでお打ち合わせを実施させていただき、Loglass 経営管理のデモ画面を拝見しました。操作画面上の単語が分かりやすく、設定の自由度よりも経理管理に最適なデザインを優先している点が高評価です。以前に使っていた経営管理BIツールとExcelと比べて、データ量が増えても集計とアウトプットにかかる時間が短く、経営管理業務のスピードがあがることも期待できました。

Loglass 経営管理であれば求めていた経営管理の体制を実現できるはずだとの結論に至り、経営管理BIツールとExcelからの移行を社内へ提案しました。

ー Loglass 経営管理への移行について、社内ではどのように説明されましたか。

小島様:Loglass 経営管理の導入は代表決裁を仰ぐ必要がありました。説明にあたっては、財管のデータソースを一元化する重要性と経営数値の民主化、つまり企画部門と販売部門にLoglass 経営管理のデータベースを展開することで経営管理の情報を標準化し、経営に対してどのような貢献ができるかを熱意を込めて説明しています。

以前までは事業推進室が必要なデータをトレーの上に載せて企画部門と販売部門に運んでいたものが、Loglass 経営管理導入後は、企画部門と販売部門が必要に応じて必要なデータを自分で取りに行くような、ビュッフェスタイルのようなイメージと伝えました。その結果、事業全体のスピードがどれだけ向上するか、事業推進室の私の業務がどれだけ効率化されるかについても説明しています。

その後無事に代表決裁が下り、Loglass 経営管理の導入が決定しました。

カスタマーサクセスの伴走で、財管のデータソースの一元化をスピーディに実現

ー Loglass 経営管理の導入はどのように進行しましたか。

小島様:2023年4月の展示会でLoglass 経営管理と出会い、そこからトントンと進んで同年6月から導入がスタートしました。ちょうど以前に使用していた経営管理BIツールの契約期間が終わるタイミングだったこともあり、スムーズにリプレイスできました。その後は大きく3つのフェーズに分けてLoglass 経営管理の活用を進めています。

まず第1のフェーズでは、販売部門にとって重要な数字である月間の売上げ見込みを集計し、週次で更新されるデータベースの構築に取り組みました。以前に見込みを管理していたExcelからデータをLoglassに移行しています。

第2フェーズでは、これも以前はExcelで管理していた販管費の見込みをLoglass 経営管理上で管理できるように設定しました。本社の直接経費を含め、管理部門の経費を月次で更新しています。

最も時間がかかった第3フェーズでは、これまで独立していた販売管理ツール内の店頭販売データをLoglass 経営管理のデータベースに連携しました。このフェーズによって目指していた財管のデータソースの一元化をほとんど達成でき、特に財務会計の解像度が大きく向上しました。

すべてのフェーズにおいて、ログラス社の担当の方から手厚いサポートを受けられました。特に印象に残っているのが、初期設定の段階です。マスタの登録と初期設定は当初恐る恐る進めていたのですが、担当の方よりアドバイスをいただき、一括で設定を完了することができました。その他にも、打ち合わせの場で「この視点から、こういう使い方もできますよ」と弊社の経営管理に寄り添った視点からアドバイスをいただいています。

ー 特に活用いただいているLoglass 経営管理の機能をお聞かせください。

小島様:最も活用しているのは「部署別対比表」です。各店舗の数値を横並びで表示することができ、さらに百貨店インショップ、旗艦店、自社EC(フェイラー公式オンラインショップ)などの販路別にまとめて比較することもできます。よく閲覧するのは「店舗:EC」の比較ですね。また、弊社の場合は小売だけでなく、卸売によるBtoB向けの販路もありますので「小売:卸売」でも比較しています。

こうした比較ができるようになったことで、たとえば実店舗の売上げが苦戦しているときはECにリソースや商品の配置を振り分けるといった意思決定につながっています。

見れない・見づらかった数字がいつでも見られる。「自社業績をもっと身近に」へ前進

ー Loglass 経営管理を導入したことで、業務はどのように効率化できましたか。

小島様:以前は事業推進室のうち、2名体制で経営管理業務を担っていましたが、現在は私だけでも問題なく回るようになりました。さらにバラバラに分散していたデータをLoglass 経営管理に集約できたことで、扱うデータ量が増えましたが、以前と同じ時間内で処理できるようになっていますので、経営管理の業務が大きく効率化できたものと考えています。個人的にも「よくひとりでやれているな」と思う瞬間がありますね。

ー Loglass 経営管理を導入したことで、経営管理はどのように改善されましたか。

小島様:以前の経営管理に比べ、分析するデータの粒度はより細かくなりました。たとえば、これまでは勘定科目単位までしか確認できていませんでしたが、Loglass 経営管理ではさらにそのひとつ下の補助科目単位までドリルダウンできるようになっています。これによって、例えば、いままで勘定科目計で捉えていた費用の中身を固定部分と変動部分に分解して把握できるようになっています。

また、小売業のビジネスにとって、店舗ごとの粒度で採算管理できることは、経営判断にとって大きな強みです。以前のツールでも、店舗ごとの採算を把握すること自体はできていたのですが、UIが格段に良くなったことでストレスを感じません。たとえば、店舗ごとの数字を横並びに比較することで不採算の店舗を特定したり、店舗ごとの在庫管理や商品展開の判断に活かしたりと、データドリブンな判断を下すことができます。

さらに、店舗別の売上から最終利益を可視化できたことで、事業全体の最終利益にどれだけ各店舗が貢献しているかを判断できるようになりました。そこに客数や店舗の坪数、スタッフ数などの非財務情報を加えることで、今後の店舗運営や商品作りに活かしていくことも可能です。

ー Loglass 経営管理は現場に対してどのように貢献できているでしょうか

小島様:経営管理の民主化に大きな変化がありました。各部門の担当者、具体的にはアシスタントディレクター以上の役職者が、以前のツールよりも経営数字を日々の業務に役立てるようになったのです。Loglass 経営管理の導入と同時に「自社業績をもっと身近に」というスローガンを掲げた浸透施策も功を奏しました。現在、15名ほどの役職者が自らLoglass 経営管理でデータを確認しており、各々の業務やプランニングに活用しています。

「どの商品を、いくらで、どこで、どう売るか」をデータで紐解ける世界へ

ー 今後の展望を教えてください。

小島様:Loglass 経営管理を導入したことによって、財管のデータソースを一元化し、店舗レベルなど様々な粒度で採算管理できるようになりました。今後は、この経営管理基盤を活用し、4P(どんな商品(Product)を、いくら(Price)で、どのような販促(Promotion)で、どこ(Place)で届けるか)を組み立てる基盤に進化させていきたいですね。現状の達成率は3〜4割ほどですが、うまく指標を組み立てていければ、さらに事業をブーストさせることにつながるはずです。

その上で、事業推進室としては今後も経営の参謀役として、データの力をうまく活用しながら経営の意思決定をサポートしていきたいと思います。かゆい所に手が届くような、今後の意思決定を先回りするように必要なデータを揃え、活用できる形に仕上げていく取り組みは今後も続けていきます。

ー 小売業や店舗型ビジネスの予実管理に課題を感じている方へ、メッセージをお願いいたします。

小島様:実際にLoglass 経営管理を導入してみると、いい意味で想像していたより柔軟性が高いツールだと感じました。そのため、同じ小売業や店舗型ビジネスでも幅広い企業の経営管理の役に立つのではないでしょうか。特に弊社の場合のように、財務会計と管理会計(販売管理)のシステムが分断されて一元管理できていない企業や経営数値の民主化に課題を感じている企業にとっては、おすすめできるツールだと思っています。

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