レシピプラットフォーム「クラシル」と、ライフスタイルメディア「TRILL」を運営しているdely。2021年11月にはカンパニー制(事業部制)に移行し、2022年11月現在、傘下には「kurashiru」、「TRILL」、「リテール」の3つの事業ポートフォリオがあります。同社はこの3つの事業ポートフォリオの中で、投資の優先順位を立てたいという課題を抱えており、部門別損益管理の実現が急務でした。また、管理会計のスピードアップの観点から、予算や着地見込みの数字を基に、Googleスプレッドシート等を使って加工せずとも予実対比表を瞬時に用意できる体制を構築することもミッションの1つでした。これらのミッションをクリアするため「Loglass」を導入いただきました。今回は、Loglassの導入を推進いただいたCFOの戸田様と、Loglassの運用を担っている経理部の大槻様に、導入経緯や導入後の効果について伺いました(2023年8月取材)。
取締役CFO 戸田様
経理部 大槻様
戸田様:弊社はGoogleスプレッドシートを使って予実管理や、着地見込みの管理をしていましたが、膨大な時間と負担がかかっていました。また、弊社は8営業日頃に取締役会資料の締め切りがありますが、それまでに、予実差異について十分に時間をかけて分析したり、事業部門とともに今後の対応策まで検討したりしたいと思っていましたが、当初は資料を作るだけで精一杯になっていました。
戸田様:やはりGoogleスプレッドシートと連携できるところですね。Loglassはスプレッドシートのデータを取り込み、かつ、スプレッドシートとして吐き出せる点が魅力です。取り込んだ時のデータと、書き出した時のデータのフォーマットが同じというのは、集計の手間が省けるため、実務に即していると言えます。また、PLや部門に多重階層を設定しつつ、複数のマスタを保有できるのも魅力に感じました。例えば、報告フォーマットに合わせて、ある時は固定費と変動費で分解、またある時は売上原価と販管費で分解することができます。また、セグメント別や部署別等で部門別のPLを出力できるのも素晴らしいと思います。Loglassが実務者に寄り添っていることを感じました。
戸田様:部門別予実を可視化することができ、事業のモニタリング基盤は飛躍的に良くなりました。また、月次決算の翌日に予実差異が特定できていることは、経営の意思決定スピードの向上に貢献しています。各部門長が次なる打ち手を考え、素早く行動に移せるようになりました。
導入前は実績を締めるのに4営業日、そこから予実対比表を作るのに2営業日がかかっていました。しかし、Loglassの導入により、実績を締めた1時間後には速報値を各部門に展開できるようになりました。管理部門でも予実差異の分析にいち早くとりかかることができるようになり、これまで表の作成に使っていた2営業日をまるまる分析作業に割けるようになったことは、非常に大きかったです。そのおかげで、しっかりと分析したデータを取締役会に提出することができています。
大槻様:これまでの集計のやり方だと、着地見込みが会議の直前まで動くことがあって、正確な数値を管理することがかなり大変でした。最後まで数値を締め切れないことは不安でした。しかし、Loglassのおかげで、取締役会の直前でも正しいデータが反映されているので、ストレスから解放されました。
戸田様:Loglassの拡張性です。今後、当社では様々なビジネスモデルにチャレンジしてまいりますが、組織マスターや科目マスターの階層を複数使い分けられることなど、拡張性の高い仕組みを備えている点については、導入して一層頼もしく感じています。プロダクトやサービスラインが増えれば増えるほど使えるツールだと思っています。あとはログラスの社員の方が導入後も伴走してくれたことです。導入前に機能説明などを通して信頼関係を築くことができていましたし、導入後も親切にフォローしてくれました。
戸田様:厳しい予実管理が求められる上場前後のスタートアップ企業には良いかなと思います。また、多事業・多店舗展開されているような企業では、GoogleスプレッドシートやExcel等だけで管理するのは大変かと思いますので、本領を発揮できるのではないかと思っています。