IT・インターネットエンターテインメントLoglass 人員計画

予実管理の徹底、当事者意識の醸成を目指して。「Loglass 人員計画」から始める人的資本経営への挑戦

東海エンジニア株式会社

従業員数
301〜1,000名
公開日
2025-05-19
予実管理の徹底、当事者意識の醸成を目指して。「Loglass 人員計画」から始める人的資本経営への挑戦

この事例の要約

課題
東海エンジニア株式会社は地方公営競技場向けにシステム保守と常駐エンジニア派遣を行う企業で、計20名ほどの課長クラス現場責任者が各拠点に配属されています。従来は需要拡大により売上が自然と伸びていたためざっくりした人員計画で問題ありませんでしたが、物価上昇に伴う賃上げ圧力と単価据え置きの板挟みで、繁忙期の時間外労働により赤字案件が発生するなど、人件費増を織り込んだ計画とコスト感覚の欠如が課題化していました。
施策
同社は「Loglass 人員計画」を導入し、約3ヶ月で運用フェーズに入りました。マスター構築・人員登録・実績数値投入を各1ヶ月かけて整備し、カスタマーエンジニアやネットワークエンジニア一人あたりの給与・法定福利費・退職給付金を入力して予算計算式を構築。さらに他拠点からの応援人員稼働に対し、Loglass 上で工数比率を登録して人件費を拠点ごとに按分する独自設定も実装しました。
成果
案件ごとの利益や費用を検討する社内の商談審査会議で活用が始まり、過去実績を参考にどのグレードのエンジニアを常駐させれば赤字にならないかを判断できる体制が整いました。今後は人材ポートフォリオの最適化や管理者比率調整、昇格・育成計画への展開を予定し、人的資本経営の実践と現場責任者の当事者意識の醸成を進めていきます。

人件費の拠点別按分

自動化

他拠点への応援人員の稼働費用を正確に按分し、拠点別コストを可視化

人員計画を展開する現場責任者

約20名

各拠点の課長クラスが自拠点の人件費と収益性を把握できる体制へ

お話を伺った方

東海エンジニア株式会社

株式会社東開エンジニア

藤澤 様

東海エンジニア株式会社

株式会社東開エンジニア

柴野 様

人件費の上昇を受け、厳密な人員計画が求められるように。現場のコスト感覚欠如も課題

ー 「Loglass 人員計画」を導入する以前は、どのような課題を抱えていたのでしょうか。

藤澤様:以前は人員計画を管理する社内共通のシステムはありませんでした。弊社のビジネスモデルでは、お客さまである地方公営競技場様ごとにシステムとコンピュータ及び端末機の保守契約を1年ごとに結ぶため、年間を通して必要となるエンジニアの人数が概算として想定できるのです。そのため、厳密な人員計画を立てずとも仕様通りの人数のエンジニアを現場へ常駐させることは、難しいことではありませんでした。

しかし、ざっくりとした人員計画でも問題がなかったのは、需要の拡大に伴って毎年売上げが自然と伸びていたからです。案件一つひとつの単価自体は据え置きのままである一方、物価上昇に伴う賃上げ圧力はどんどん強くなっています。コロナ禍や働き方改革など、時代が大きく変化していく中で今後も同じようにビジネスを成長させ、利益を確保していける保証はどこにもないのです。

詳細な人員計画を立ててこなかった弊害として、採用面でも課題が浮上しました。これまではお客さまと結ぶ保守契約に基づき、人材が不足していれば採用、教育をするだけでした。しかし今後よりシビアなコスト感覚で人員計画を考えていくのであれば、どのレベルの人材をどれだけ採用、育成しなければならないのかといった詳細まで採用計画を立てなければなりません。


柴野様:弊社では現在、拠点ごとに課長クラスの現場責任者が計20名ほど配属されているのですが、売上は自然と伸びていたため、これまで厳密な人員計画は必要ありませんでした。しかし昨今の賃上げ圧力が強まる中、従来の運営方式では立ち行かなくなってきています。

たとえば、大きなレースが多く開催されるシーズンだと、エンジニアの稼働時間も増え、時間外労働が発生することも珍しくありません。この時間外労働の人件費は通常の1.25倍、60時間を超えると割増率が1.5倍になるため、何も考えずに人員を配置して時間外労働を頻発させてしまうと、赤字の案件になってしまうことも。人件費の増加を織り込んだ計画ができていなかったんですね。現場責任者からも「なぜうちの拠点は赤字なのですか」という問い合わせがあったほどです。

今後ますます人件費が上昇していく中で、自分たちが管轄する拠点は利益を上げられているのかどうかを現場責任者が認識し、適切に人員を配置できる状態が求められていると感じました。

決め手は導入・運用コストの低さと「人員計画」に対する熱意

ー 「Loglass 人員計画」はどのような要素に魅力を感じ、導入を検討されたのでしょうか。

藤澤様:「人員計画をどうにかせねば」と考えていたころ、メルマガを仕分ける中でログラス社のことを知りました。そこから受講したセミナーを通じてLoglass 人員計画に出会っています。当時、他社でLoglass 人員計画のような人員計画に特化したツールやシステムをリリースしたという情報は見つけられず、一般的なSaaSと比べても費用対効果は問題なかったため、そのまま比較検討なしに導入を検討し始めています。

導入を検討するにあたって最も重要だったポイントが、ログラス社の方の人員計画に対する熱意です。初めてLoglass 人員計画を知ったセミナーでは、「なぜ人員計画は重要なのか」「経営において人員計画はどのような位置づけであるべきか」と、熱心にお話しされていたことが強く印象に残っています。よくあるような営業トークではなく、私たちの課題感や目指すべき環境をよく理解されており、これなら安心して導入できそうだと感じました。また、業務実態に即した各種設定ができるシステムの柔軟性も魅力でした。必要に応じて機能を拡張できる余地があり、長期的なパートナーとして信頼できると感じました。

その後、社長からの決裁がスムーズに下り、Loglass 人員計画の導入が決定しています。

3ヶ月で「Loglass 人員計画」を導入。エンジニアの応援派遣を想定し、費用按分を設定

ー 「Loglass 人員計画」の導入は、どのように進行しましたか。

柴野様:2024年4月に導入がスタートし、同年7月頃にはある程度落ち着いて運用フェーズに入りました。大まかな導入フェーズは、マスター構築に1ヶ月、人員登録に1ヶ月、実績数値の投入が1ヶ月くらいです。

まずは社内の業務要件や拠点ごとの人員構成、どの役職の方の人件費を管理したいのかをログラス社の担当の方と一つひとつ整理していきました。理想とする人員計画像に合わせてマスターの整理や費用科目、所属部署、拠点といった情報を基礎データとして登録し、常に最新で正しい実績データと人件費データを確認できるようにしています。

また、予算側についても弊社のカスタマーエンジニア、ネットワークエンジニア一人あたりの給与や法定福利費、退職給付金などを入力していき、予算を立てるための計算式を作り上げていきました。

入力したデータが反映されたダッシュボードは、案件ごとの利益や費用を検討する社内の商談審査会議に使用し始めています。これまで案件ごとの原価がぼんやりしか分からなかったところ、過去の実績を参考にどのグレードのエンジニアを常駐させれば赤字にならないのかと判断することができるようになりました。

ー 貴社独自の設定や工夫があればお聞かせください。

柴野様:弊社は関東圏を中心に全国の拠点から、全国の地方公営競技場様へエンジニアを常駐させています。基本的には地方公営競技場様ごとに担当拠点が決まっているのですが、繁忙期やお客さまからのご要望にお応えするため、他の拠点から応援人員を派遣することがあります。

この応援人員の稼働に対しては、普段所属している拠点に加えて応援を受けた側の拠点も稼働費用を負担することになるため、Loglass人員計画上で工数の比率を登録し、人件費といった費用を拠点ごとに按分するよう設定しました。これによって拠点ごとかかっている費用を正確に計算することができています。現在は人件費だけ按分していますが、今後はその他の経費まで細かく按分できるよう、設定を進めていきたいですね。

ー 「Loglass 人員計画」を導入いただいたのは、サービス自体がリリースされてから間もないタイミングでした。導入後のサポート体制について、お聞かせください。

藤澤様:当初はどこまでプラットフォームを活用できるだろうかと不安に感じることもありましたが、ログラス社の担当の方からは毎月すごく丁寧にサポートいただきました。導入フェーズでは2週に1回、運用フェーズでは月に1回の頻度でお打ち合わせをしています。

特に導入フェーズは、どのようなデータをどのように入力していくべきかとアドバイスをいただき、一緒に管理画面を見ながらどうすれば拠点ごとの利益を管理できるかを考えていただいたことが印象に残っています。

予算策定の精度向上と、各拠点の責任者の当事者意識の醸成に期待

ー 今後の「Loglass 人員計画」の活用シーンと、期待する成果をお聞かせください。成果を期待しますか。

柴野様:正社員のエンジニアには6等級のグレードがあり、等級ごとの人件費のデータ入力はすでに完了しています。今後は、どの案件に、どのグレードのエンジニアを何名配置するのかといった人員計画(人材ポートフォリオ)に活かしていく予定です。

加えて、拠点ごとの役職者のバランスもLoglass 人員計画で把握し、管理者の比率調整や昇格、人材育成の計画にも役立てたいと考えています。

藤澤様:導入前に抱えていた課題を解決できるかどうかがゴールであり、スタートラインになると思います。ひとつは案件ごとの予実と人員をしっかり管理でき、予算策定の精度が上がること。もうひとつは拠点ごとに配属されている課長クラスの現場責任者の間で人員計画のナレッジやノウハウがしっかり共有され、それぞれが課題解決に取り組めるようになることです。

弊社のお客さまである地方公営競技場様に対しては、可視化された私たちのサービス価値、人材価値を提示できること、それによって今後も引き続きよりよい運用・保守サービスをご提供するための取り組み方をご相談できることが期待する成果です。これは社内の人事にとっても同じで、現在の人材価値、企業価値を客観的な数字とデータで見直し、採用や育成計画に反映していければと思います。

なぜ今、人的資本経営なのか。企業が取るべき姿勢とは

ー 貴社は日本企業における人的資本経営の実践と開示を促進する目的で設立された「人的資本経営コンソーシアム」の会員に名を連ねています。改めて、なぜ企業は人的資本経営に取り組むべきなのでしょうか。

藤澤様:「売り手によし、買い手によし、世間によし」という近江商人の「三方よし」の考え方に代表されるように、日本には昔から「人」を大事にする商習慣が根付いています。ではなぜ今の時代に「人的資本経営」が見直されているのでしょうか。

たとえばアメリカのGAFAMといった世界経済をリードする大手IT企業の時価総額は、1社だけでも1兆円以上もの規模ですが、そのうちの有形資産はごく一部です。つまり現在の企業、特にIT企業では、自社が保有する有形資産ではなく、その企業で働く人々とそこから生み出される価値こそが、会社の価値の大部分を占めるようになったと言えます。言い換えれば、無形資産である人的資本を開示することが企業の透明性を市場やステークホルダーに示すことにつながるのです。

ー 人的資本経営を実施することで、経営にはどのような好影響が生まれるのでしょうか。

藤澤様:ひとつにはお客さまや株主といったステークホルダーに対して、「人的資本経営」に取り組んでいるという企業姿勢を示すことができます。いわゆるブランディングの観点のメリットですね。

2つ目に期待できるのは、インナーブランディングの効果です。「人材の価値を最大限に引き出すため、会社全体が努めます」と経営層がしっかり社内に向けて発信すれば「自分たちの仕事は社会的な意義があるのだ」と自信を持った社員一人ひとりがさらに付加価値を高めようとおのおのが努力すると思われます。

3つ目に期待できるメリットが、今までの採用活動では難しかった優秀な人材を採用できる可能性が高まることです。これまでの日本企業では、80点の平均点を出せるジェネラリストばかりが採用され、一芸で100点以上を出せる優秀な人材を採用しても活躍させることができませんでした。しかし人的資本経営を導入し、人材マネジメントを強化することで優秀な人材を適材適所に配置できるようになり、企業全体として大きな成果を得られるようになるでしょう。

ー 人的資本経営や人員計画に興味をお持ちの皆様へ、アドバイスをお願いします。

藤澤様:以前よりも「人的資本経営」という言葉が知られるようになり、「人的資本経営に取り組んでいます」と発信する企業は増えてきました。しかしだいたいの場合、国際基準ISO 30414に従った「人的資本の開示」に留まっており、それだけでは不十分だと考えています。人的資本の開示はそれ自体が目的なのではなく、企業の成長における手段のひとつだからです。

自社の成長戦略に必要な人的資本を整理し、活用していくためにもLoglass 人員計画のような仕組みは今後ますます重要になっていくのではと期待しています。

Q&A

「Loglass 人員計画」の導入決め手は何ですか?
ログラス社の「人員計画に対する熱意」が最も重要なポイントでした。営業トークではなく、企業における人員計画の位置づけや課題感を深く理解した上で提案を受けられた点、業務実態に即した柔軟な設定ができるシステム拡張性が決め手となっています。
拠点間の応援派遣に伴う費用按分はどう実現していますか?
他拠点からの応援人員の稼働に対し、Loglass 上で工数比率を登録して人件費を拠点ごとに按分する設定を行っています。これにより、繁忙期に他拠点支援が発生しても、拠点ごとの正確な費用を計算できる体制を構築しています。
今後の活用方針を教えてください。
正社員エンジニアの6等級グレード別人件費データの入力は完了済みで、今後はどの案件にどのグレードを何名配置するかという人材ポートフォリオに活かす予定です。管理者比率の調整や昇格・人材育成計画への展開も視野に入れています。

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