属人化を解消し工数5分の1。ホーユーが築いた「経営環境の変化に対応できる」経営管理
ホーユー株式会社
- 従業員数
- 1,001〜5,000名
- 公開日
- 2026-07-30

1905年創業、ヘアカラーを中心に頭髪化粧品を幅広く展開するホーユー株式会社。同社では、国内のコンシューマー・プロフェッショナル事業に加え、海外現地法人を含むグループ全体の連結PLを、フルスクラッチで構築した独自の管理会計システムで運用していました。しかし、数字のブラックボックス化と、データ量が蓄積されるにつれてレスポンスが悪化する課題に直面。この課題に対し、「Loglass 経営管理」の導入により、配賦・連結処理の大幅な時間短縮と数字の信頼性向上を実現しました。国別・製品別PLの迅速な可視化を通じて、経営環境の変動に即応できる体制を構築しています。経営企画課の皆様にお話を伺いました(2026年4月取材)。
お話を伺った方
経営企画室 経営企画課 課長 下込様
経営企画室 経営企画課 課長代理 石河様
経営企画室 経営企画課 係長 鈴木様
経営企画室 経営企画課 係長 橋本様
ポイント
- データの配賦・連結処理工数が5分の1に削減。エラーの即時特定も可能に
- 国別・製品別PLの「数字の確からしさ」が向上。トランプ関税など経営環境の変化にも機動的に対応可能に
- 研究開発出身の経営企画メンバーが3ヶ月で業務習得。ジョブローテーション文化に適合するサステナブルな経営管理体制を実現
【導入背景】激しい経営環境の変化に対応するため、フルスクラッチ脱却を決意

ー 経営企画課が担われている管理会計の全体像を教えてください。
下込様:経営企画課のミッションは大きく3つあり、経営戦略の策定、経営管理、そしてその時々の経営課題への対応です。課全体は7名の体制で、そのうち5名が「Loglass 経営管理」を日常的に利用しています。私は全体のマネジメント、石河が管理会計マネジメント、鈴木が管理会計の数値作成、橋本が月次の集計実務を担当しています。
鈴木様:月次の業務フローとしては、まず管理会計の数字を作成した後に「月次進捗報告会」を開催します。事業を統括する各部門の業務担当者、さらに生産部門の方々が参加し、半期ごとの予算に対する売上・利益の進捗を共有します。そこで事業部からの報告を受けた上で、最終的に経営層・取締役会へ報告するという流れです。
ー 「Loglass 経営管理」の導入以前、管理会計にはどのような課題がありましたか。
下込様:以前は、自社の要件や理想を反映するために独自開発した経営管理システムを利用していました。ホーユー社内と外部ベンダーで要件を綿密に詰めて構築された仕組みで、当時の業務要件にきめ細かく対応できる、自社にフィットした基盤として長年活用してきました。
一方で、構築から年月が経つ中で、担当者の交代や業務の変化を経るうちに、組み込まれた独自ロジックの背景や設計意図を十分に引き継いでいくことが難しくなり、徐々にシステムがブラックボックス化していきました。その結果、運用が一部の担当者に依存する状態となっていました。また、事業成長に伴いデータ量が想定以上に蓄積されたことで、レスポンス面での課題も顕在化し始めていました。
鈴木様:具体的には、事業部からのExcelファイルを取り込むのに30分、その後の配賦・連結処理に約2時間を要していました。処理が途中で停止した場合、原因の特定にも時間がかかってしまい、月次の報告期限に間に合わないこともありました。
石河様:また、構築当時には想定していなかった新たな分析軸や画面を追加する際、多くの費用と時間がかかります。昨今の激しい経営環境の変動に対して、よりスピーディーに数値を可視化し、経営アクションへつなげるための柔軟性が求められるようになっていました。
【選定理由】決め手は「配賦の柔軟性」。"我々の課題に最適なツール"と出会えた

ー フルスクラッチからのリプレイスにあたり、どのような選定プロセスでしたか。
石河様:フルスクラッチの構築にはかなりの費用を投じていました。その仕組みをやめるとなれば、かけた費用が無駄になってしまいます。この経験を活かして次のシステムを選定することが重要であると、課内で強く共有されていました。
海外現地法人を含む連結の予実管理ができることが大前提でしたので、大手のパッケージ製品もいくつか検討しました。しかし、導入コストが高く、何千万円もかけて要件定義をやり直すのは非常に難しいと感じていました。
そうした中で、当時の室長が「Loglass 経営管理」 の資料を取り寄せたことがきっかけです。サービスの説明を受けた室長が、社内のチャットツールに「我々の課題に最適なツールを見つけたかもしれない」と投稿したのを今でもよく覚えています。スモールスタートが可能で、比較的短期間で立ち上げられるという点が、まさに我々が求めていた条件に合致していました。
ー 「Loglass 経営管理」を選んだ決め手は何でしたか。
石河様:特に大きかったのは「配賦の柔軟性」です。弊社の配賦は非常に複雑で、配賦元から配賦先までのステップ数は数百におよび、「製品軸」と「国・地域軸」の掛け算により明細数も膨大になります。旧システムでは配賦基準にこだわって構築してきた経緯があるため、システム変更の際にその基準をガラッと変えてしまうと、数字の継続性が失われてしまいます。その点「Loglass 経営管理」では、従来の配賦基準を維持したまま設定が可能で、データ量のネックも解消できる見通しが立ちました。
【導入後の効果】連結PL作成の工数が5分の1に。即座に経営数値を確認できるようになり、「変化への対応力」も向上

ー 導入から運用開始まで、どのように進めましたか。
鈴木様:前任の課長が数百ステップに及ぶ配賦のベース設計を主導しました。私は、売上や経費のデータを「Loglass 経営管理」上でどのような科目・組織区分として保持するか、月次の運用サイクルに組み込めるか、といった検証を担当しました。
また、想定外の数字が出た際には、カスタマーサクセスの方に「ここを確認すれば流れがわかる」と教えていただき、今でもトラブル対応時の指針として活用しています。
ー 導入前後で、業務や数字の信頼性にどのような変化がありましたか。
鈴木様:処理時間の面では、データ取り込みと配賦・連結処理にかかっていた工数が、1回あたり2時間半から30分へと5分の1に削減できました。エラーが発生した場合も、「Loglass 経営管理」上で 「このコードがマスタにありません」などと即座に通知してくれるため、原因の特定から再処理まで5〜6分で完了します。以前は「連結PL作成に2時間かけてエラーが発生し、原因特定と再作成でさらに2時間」という状況でしたから、比較になりません。
石河様:今は「Loglass 経営管理」で数字がどう積み上がっているのか可視化されているので、経営層に対して「この数字で間違いありません」と胸を張って説明できるようになっています。
ー 事業部や経営層からの反応はいかがですか。
鈴木様:好意的な反応をいただいています。事業部で「Loglass 経営管理」のレポート機能を活用してくださっている方からは「製品別PLがすぐに確認でき、切り替えも早い。瞬時に先月と今月の見込みを見返すこともでき、自由に数字を並べられる」という声がありました。以前のシステムでは画面表示に時間がかかり、軸を変えるたびにさらに待つ必要があったので、活用の仕方が大きく変わっています。
下込様:経営層は「Loglass 経営管理」の画面を直接操作するわけではありませんが、「Loglass 経営管理」で作成したデータを基に毎月経営報告を行い、数字を確認できる環境を整えています。見込みの着地精度や柔軟性、スピードという経営の要請に応えられているのは、仕組みの基盤に「Loglass 経営管理」があってこそです。
また、経営環境の変動への対応力も向上しています。昨今の不安定な中東情勢やトランプ関税により、弊社も調達に影響を受け始めています。「Loglass 経営管理」の数字や事業部からの情報を元に「これからどうやってサプライチェーンを持続的に維持していくか」という議論が経営レベルでは行われています。
ー 管理会計の業務を次の世代に引き継いでいく上で、「Loglass 経営管理」はどのような役割を果たしていますか。
橋本様:私は昨年、研究開発部門から経営企画課に異動してきました。管理会計については全くの未経験でしたが、3ヶ月で一通りの業務を学び、今では日常の運用が回せるようになりました。「Loglass 経営管理」はシステムとして非常にシンプルで、「このデータをここに入れると、ここに反映される」という流れが明快なので、操作に迷うことなく業務に活用できています。
下込様:私が最も大きな価値を感じているのはまさにこの点です。以前のフルスクラッチのシステムは、仕組みがブラックボックス化しており、運用も属人化していました。しかし、「Loglass 経営管理」は仕組みの透明性が高いため、橋本のように異なるバックグラウンドのメンバーでも、スムーズに業務を引き継ぐことができています。
弊社はジョブローテーションの文化があり、定期的にメンバーが入れ替わります。その中で、「Loglass 経営管理」がサステナブルに機能し始めていることは、現在も高く評価していますし、今後も大いに期待している部分です。
【今後の展望】基盤が整った今、経営戦略立案へ。会社の未来を描くチームへ加速

ー 今後、「Loglass 経営管理」をどのように活用していきたいですか。
鈴木様:「Loglass 経営管理」で作成した明細データを元に、「国別×製品シリーズ別」のPLをダッシュボードにして全社展開する準備を進めています。事業部の方々には「Loglass 経営管理」のレポート機能で深掘り分析をしていただきつつ、全社向けにダッシュボードで見やすく整形する「二段構え」の運用を構想しています。
下込様:経営企画課は、経営戦略・経営管理・経営課題対応という3本柱で成り立っています。今後さらに求められるのは、「会社の未来を描く経営戦略」です。戦略を立てる際には計数値が不可欠ですから、経営管理の数値をより正確に、フレキシブルに、タイムリーに提示できる環境がますます重要になります。経営戦略と経営管理をしっかり結びつけて強化していくことが、これからの経営企画課の使命だと考えています。
ー 最後に、同じような課題に取り組む企業のご担当者へ、メッセージをお願いします。
下込様:以前の経営管理システムは中身がブラックボックスで、引き継ぎが極めて困難でした。「Loglass 経営管理」は仕組みの透明性が高く、世代交代しながらもサステナブルに経営管理の基盤を維持できるシステムです。弊社のようにジョブローテーションが根づいている企業にとって、これは決定的な価値だと感じています。
石河様:スモールスタートが可能で、段階的に改善していけるSaaSを選んだ判断は正しかったと思います。そして何より、できないことがあった時に「ではどうすればできるか」を一緒に考えてくれるカスタマーサクセスの存在は、導入判断を後押しする大きな要素だと思います。
