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SBペイメントサービス株式会社

「Loglass 経営管理」でDWHと共存する管理会計データ基盤を構築。経営層の『仮説検証』スピードに応え、信頼される組織へ

金融
従業員数
301〜1,000名

ソフトバンクグループの決済代行事業を担い、オンラインからリアル店舗、さらには海外まで幅広く展開するSBペイメントサービス株式会社。2025年3月期で年間9.8兆円規模の決済を取り扱う同社では、大規模なトランザクションデータを基に、加盟店別・決済手段別の収益分析やCFO向けの見込みの報告資料や経営会議用の報告資料などを作成してきました。しかし、Excelによる手作業の集計では、整合性の確認やデータの加工などに多大な工数を要し、迅速な意思決定を支えるうえで限界を感じるようになっていました。

そこで同社では、管理会計業務の効率化とスピード向上を目的に「Loglass 経営管理」を導入。経営層が求める分析フォーマットの作成フローを仕組み化し、報告スピードとデータ精度を改善しました。今回は「Loglass 経営管理」の導入を推進した経営管理部の皆さまに、導入の背景や運用の工夫、そして得られた成果について伺いました(2025年11月取材)。

お話を伺った方

コーポレート本部 経営管理部 部長 山下様

コーポレート本部 経営管理部 経営管理課 課長 安原様

コーポレート本部 経営管理部 経営管理課 担当課長 藤枝様

コーポレート本部 経営管理部 経営管理課 松永様

POINT

  • データを保有するDWHと役割を分担。集計フローを仕組み化し、信頼できるデータ基盤を構築。
  • 経営層からの修正対応を「1週間」から「翌日」へ短縮。素早い事業判断に貢献。
  • 自社で設定・拡張できる柔軟性を評価。複雑な管理会計を低コストで実装できる点も決め手に。

年間数億件規模のデータを手作業で集約。経営層が求めるスピードと精度の両立に課題を感じていた

ー 貴社の決済・金融事業の管理会計には、どのような特徴があるのでしょうか。

安原様:決済サービスという性質上、扱うデータ量は非常に多くなります。管理会計で「どの店舗で」「どの決済手段が」「どれだけの収益を生んだか」までを細かく分析しようとすると、年間数億件規模のデータ量にも達します。

管理会計の実務では、勘定科目と取引先別の粒度まで集約されたデータを財務経理部から受け取り、「大型加盟店」「新規加盟店」などの経営管理特有のフラグを付与した上で数字を整合させて報告資料にまとめていきます。月初には集計した実績(売上・費用)を、その後に見込みを集約し、「分析報告フォーマット」にまとめて報告する、という流れです。「分析報告フォーマット」はCFOが長年見慣れているレイアウトやカットのExcelフォーマットであり、意思決定の精度・速度を担保するうえで重要な役割を担っています。その他にも、PowerPointで作成する経営会議用の報告資料や、グループ会社に展開するデータも私たち経営管理部が作成しています。

ー 「Loglass 経営管理」を導入いただく以前に抱えていた課題をお聞かせください。

安原様:これまでずっとExcelでデータを集計していたのですが、財務経理部から送られてくる実績データを月ごとに管理会計用へ加工し、事業部別に費用を分けてファイルを展開する作業に手間がかかっていました。月次業務をこなすだけでも精一杯だったことで、たとえば「昨年の実績はどうだったか」「3年分まとめて見たい」といった経営層や事業部からの照会に即答できない状態でした。

山下様:さらに問題だったのはヒューマンエラーです。事業部別の費用を足し合わせると、全社費用を超えてしまうようなミスも起きていました。また、事業部側で売上データの細かい集計を行っていたのですが、これが財務の数字と整合しないことが多く……。結果的に報告される数字をそのまま受け取るしかなく、管理会計の精度面で常に課題を抱えていました。

安原様:上記の理由で、月の途中まで正確な実績を把握できない状態でした。そのため、営業担当者は「目標達成に向けて、今どれくらいアクセルを踏むべきか」という判断をタイムリーに行えずにいました。この判断が月初にできるか、月末になってしまうかで、最終的な成果は大きく変わってしまいます。ビジネスのスピード感を損なうこのタイムラグは、解決しなければならない課題でした。

ー 経営層からは管理会計に対してどのような要望があったのでしょうか。

安原様:経営層、特にCFOからは「とにかく早く数字を出してほしい」という強い要望がありました。それは単に結果を知りたいということではなく、描いている事業戦略や成長シナリオが計画通りに進んでいるかを検証し、次の一手を遅滞なく打ちたいという意図からです。CFOは自ら手を動かして緻密なシミュレーションを行い、頭の中に「あるべき数字(見通し)」を持っています。その見通しと意思決定のサイクルを高速で回すために、その判断材料となる「データの鮮度」と「報告スピード」が強く求められていました。

藤枝様:まさに「Loglass 経営管理」のCMで流れているシーンそのものです。経営層からは集計の迅速化について要望を受けていたのですが、実際には数字の差し替えや整合性の確認に膨大な時間がかかっており、現場は苦労していました。経営層の意図を最大限汲み取り、経営層の意思決定と事業部のアクションそれぞれのスピード向上に貢献するため、経営管理システムの導入を検討し始めました。

年間1,000万円の削減効果を試算。コンサルに頼らず、管理会計を自社で実装できる「柔軟性」が決め手に

ー 「Loglass 経営管理」を知った経緯や第一印象を教えてください。

安原様:財務経理部からの紹介があって私がすぐに資料請求をしたのですが、そこで「これはいいな」と直感しました。特に「Excel運用をそのままシステム化できる」という訴求が当社の状況と抱えていた課題に刺さり、Excelからのリプレースが現実的に思えた点が大きかったですね。

ー 導入の決め手をお聞かせください。

安原様:社内稟議の過程で他社サービスやグループ内システムと比較検討を行ったのですが、最終的に「費用対効果」と「設定の柔軟性」が決め手となりました。

まずコスト面ですが、他社サービスはコンサルティングが前提で導入予算だけで「億」に達する見込みでした。一方、「Loglass 経営管理」であればコストを大幅に抑えられるだけでなく、導入によって相当数の工数を削減でき、約1,000万円のコスト圧縮効果が見込めると試算できました。

機能面では「どこまで柔軟に設定できるか」を重視しました。私は過去にも営業支援プラットフォームの導入にも携わった経験があり、テーブルや項目などを導入後に自分たちの業務にあわせて設定、拡張することの重要性を理解していました。「Loglass 経営管理」なら任意のカットで設定できる分析軸の機能を活用することで、CFOが見たい切り口のダッシュボードを設計できると判断しました。

プロの運用サポートにより、わずか1ヵ月での本稼働を実現。事業部負担を抑え、意思決定を支える運用へ

ー 導入に向けた運用設計や、事業部への定着において意識したポイントをお聞かせください。

安原様:予算策定の時期にあわせ、2024年11月頃から本格稼働しています。売上の元データだけでも膨大なレコード規模にも達するため、「Loglass 経営管理」上では経営層が意思決定に使う単位へ適切に集約・加工した見込みの可視化に特化して活用する運用としました。

また、導入では事業部に負担をかけないような業務プロセスを意識し、導入以前と事業部の作業自体は変わらないように配慮しました。運用自体は、経営管理部から配布されたExcelに各事業部が見込みを入力するという従来通りの流れです。以前は入力後にメールで送付していましたが、現在はその提出先を「Loglass 経営管理」へ直接投入する形に切り替えただけ、というシンプルな移行にしました。プロセスを複雑にせず、事業部に負担を感じさせないフローを採用しています。

ー 導入時のサポートについてお聞かせください。

藤枝様:予算策定の1ヵ月前に導入を進めなければならないというタイトなスケジュールでしたが、Loglassのカスタマーサクセス担当の方が「やりましょう!」と快く引き受けてくださり、本当に助けられました。私たちの要望に粘り強く対応いただき、予算策定用の資料作成からデータ投入、社内向けの説明会の資料作成と実施まで伴走していただいたのが印象に残っています。結果的に、予定通り進めることができ、2025年度の予算策定にも間に合いました。経費コードの運用面でも最後まで迷っていたときに、担当の方からのご提案で解決できた部分も多く、目からウロコでした。

松永様:事業部のメンバー向けに説明会を開催してくれたことも、とてもありがたかったです。

ー 経営層が求める分析を実現するために設定上でどのような工夫をされましたか。

安原様:最終的な報告アウトプットから逆算してCFOや経営層が求める分析を先回りし、「このレポートが必要そうだから、この分析軸は必要だ」と分析軸を設定していきました。具体的には「経費コード」、「事業区分」、そして「加盟店区分」などの分析軸を設定しています。加盟店区分には、オンライン(ECなど)かリアル(実店舗)など、さらに細分化しています。その他には「新規・既存区分」などもあるのですが、他に見たいカットがでてきた場合も、これらの分析軸を組み合わせて運用しています。

「資料はいつ?」から「もう出てきたの」へ。経営層の要望に即応できる、スピードと精度の両立を実現

ー 「Loglass 経営管理」導入の前後で、業務プロセスはどのように変化しましたか。

安原様:報告のアウトプットは、今回の取り組みを機に「Loglass 経営管理」で集約したデータから作成することを徹底し、仕組み化しています。

具体的には、既存のDWH(データウェアハウス)資産を活かしつつ、「Loglass 経営管理」を経営データのハブとして機能させるアーキテクチャを構築しました。基幹システムからDWHに集約された「累計実績」の膨大なデータを、管理会計用に変換・加工するSQLを組んで「Loglass 経営管理」に連携し、事業部からインプットされる「予算」「見込み」と合わせて一括でダウンロードして報告用のファイルにデータを反映する仕組みです。この仕組み化によって、現在は「更新」ボタンをワンクリックし、数十秒待つだけで資料作成に必要なデータがすべて揃うようになりました。

山下様:足元の業務を効率化できたことによって、データクレンジングなどの他業務に充てられる時間が増えました。基礎集計に時間と手間を割いていた状態から脱却し、人の目による最終チェックが必要な業務にリソースを割けるようになっています。結果として、CFOが考えている事業の見通しと、私たちが作成するExcel資料のデータの距離が縮まり、情報の信頼度が上がったと感じています。

ー 経営層の意思決定には、どのように貢献できていますか。また、事業部からの反応があればお聞かせください。

藤枝様:報告スピードが大きく向上しました。月次の実績・見込報告が早まったことに加え、年に一度の予算策定では例年より1週間も早くCFOへの報告が完了しています。以前は「(資料は)いつできそう?」と確認されることも多かったのですが、最近は「もう出てきたの?」と驚かれるほどです。

安原様:特に効果を感じているのは「修正対応」のスピードです。以前は数字の修正が入ると、集計のやり直しや資料への転記で数日、場合によっては1週間ほど要してしまうこともありました。しかし現在は、「Loglass 経営管理」上のデータを修正すれば即座にレポートへ反映されるため、翌日には修正版を報告できています。意思決定に必要な材料を、タイムラグなく提供できるようになった点は非常に大きいです。

山下様:こうしたスピードと正確性により、報告書に対するCFOからの信頼度が高まっていると感じています。以前はデータの整合性に懐疑的な部分もあったのですが、現在は売上や原価の見込みを正確に照合できるようになっています。

ある本部長からも「費用面の管理は、『Loglass 経営管理』に任せれば可視化が進むから、期待している」というコメントをもらっています。同時にもっと有効活用を進めなければならないと課題認識にもつながりました。

安原様:さらに分析の粒度も以前よりも細かくなりました。従来はセグメント別で営業利益を算出するだけでも複雑な計算とロジックの変更が必要で、経営層から要望があっても簡単には対応できませんでした。しかし現在では加盟店単位で売上を把握できるようになっています。この変化もより正確な経営判断に貢献しているはずです。

松永様:「Loglass 経営管理」を導入してから事業部からはネガティブな反応もなく、むしろスムーズすぎて拍子抜けするくらいでした。予算策定の時期も、事業部担当者にデータの提出依頼をしてから2週間後にはすべてアップロードが完了し、ここまで早くできるんだと実感した瞬間でした。

事業部とのさらなる連携も視野に、データの精度と信頼度を高め、より付加価値が高い分析や提案を目指す

ー 今後の展望についてお聞かせください。

山下様:既存事業の業績把握や収支管理の精度をさらに高め、経営層に提供する情報の品質と信頼度をさらに向上させていきたいと考えています。数値面の報告にとどまらずに「売上がこういう状況だから、こうすれば伸ばせるのではないか」「固定費や変動費の構造的な課題を踏まえて、この支出を見直せば利益率が上がるのではないか」といったさらなる具体的な改善提案を発信できるよう、事業部とも密に連携していくことが次の目標です。

また、今後は事業部側での「Loglass 経営管理」活用もさらに深めていきたいと考えています。現在は経営管理部での利用が中心ですが、事業部に対しても「『Loglass 経営管理』のレポート機能を使ってこの指標を見ていけば、よりレベルの高いマネジメントができる」といった分析視点やフォーマットを、私たちが積極的に提案・実装していきたいと考えています。経営管理部が旗振り役となり、全社的な計数管理レベルの底上げにも貢献する組織を目指します。

SBペイメントサービス株式会社

「Loglass 経営管理」でDWHと共存する管理会計データ基盤を構築。経営層の『仮説検証』スピードに応え、信頼される組織へ

業種
金融
従業員数
301〜1,000名
公開日
2025-12-25
SBペイメントサービス株式会社
業界
金融
導入サービス
Loglass 経営管理
従業員数
301〜1,000名
Loglass導入の背景と効果
課題
決め手
効果

年間数億件規模のデータを手作業で集約。経営層が求めるスピードと精度の両立に課題を感じていた

ー 貴社の決済・金融事業の管理会計には、どのような特徴があるのでしょうか。

安原様:決済サービスという性質上、扱うデータ量は非常に多くなります。管理会計で「どの店舗で」「どの決済手段が」「どれだけの収益を生んだか」までを細かく分析しようとすると、年間数億件規模のデータ量にも達します。

管理会計の実務では、勘定科目と取引先別の粒度まで集約されたデータを財務経理部から受け取り、「大型加盟店」「新規加盟店」などの経営管理特有のフラグを付与した上で数字を整合させて報告資料にまとめていきます。月初には集計した実績(売上・費用)を、その後に見込みを集約し、「分析報告フォーマット」にまとめて報告する、という流れです。「分析報告フォーマット」はCFOが長年見慣れているレイアウトやカットのExcelフォーマットであり、意思決定の精度・速度を担保するうえで重要な役割を担っています。その他にも、PowerPointで作成する経営会議用の報告資料や、グループ会社に展開するデータも私たち経営管理部が作成しています。

ー 「Loglass 経営管理」を導入いただく以前に抱えていた課題をお聞かせください。

安原様:これまでずっとExcelでデータを集計していたのですが、財務経理部から送られてくる実績データを月ごとに管理会計用へ加工し、事業部別に費用を分けてファイルを展開する作業に手間がかかっていました。月次業務をこなすだけでも精一杯だったことで、たとえば「昨年の実績はどうだったか」「3年分まとめて見たい」といった経営層や事業部からの照会に即答できない状態でした。

山下様:さらに問題だったのはヒューマンエラーです。事業部別の費用を足し合わせると、全社費用を超えてしまうようなミスも起きていました。また、事業部側で売上データの細かい集計を行っていたのですが、これが財務の数字と整合しないことが多く……。結果的に報告される数字をそのまま受け取るしかなく、管理会計の精度面で常に課題を抱えていました。

安原様:上記の理由で、月の途中まで正確な実績を把握できない状態でした。そのため、営業担当者は「目標達成に向けて、今どれくらいアクセルを踏むべきか」という判断をタイムリーに行えずにいました。この判断が月初にできるか、月末になってしまうかで、最終的な成果は大きく変わってしまいます。ビジネスのスピード感を損なうこのタイムラグは、解決しなければならない課題でした。

ー 経営層からは管理会計に対してどのような要望があったのでしょうか。

安原様:経営層、特にCFOからは「とにかく早く数字を出してほしい」という強い要望がありました。それは単に結果を知りたいということではなく、描いている事業戦略や成長シナリオが計画通りに進んでいるかを検証し、次の一手を遅滞なく打ちたいという意図からです。CFOは自ら手を動かして緻密なシミュレーションを行い、頭の中に「あるべき数字(見通し)」を持っています。その見通しと意思決定のサイクルを高速で回すために、その判断材料となる「データの鮮度」と「報告スピード」が強く求められていました。

藤枝様:まさに「Loglass 経営管理」のCMで流れているシーンそのものです。経営層からは集計の迅速化について要望を受けていたのですが、実際には数字の差し替えや整合性の確認に膨大な時間がかかっており、現場は苦労していました。経営層の意図を最大限汲み取り、経営層の意思決定と事業部のアクションそれぞれのスピード向上に貢献するため、経営管理システムの導入を検討し始めました。

年間1,000万円の削減効果を試算。コンサルに頼らず、管理会計を自社で実装できる「柔軟性」が決め手に

ー 「Loglass 経営管理」を知った経緯や第一印象を教えてください。

安原様:財務経理部からの紹介があって私がすぐに資料請求をしたのですが、そこで「これはいいな」と直感しました。特に「Excel運用をそのままシステム化できる」という訴求が当社の状況と抱えていた課題に刺さり、Excelからのリプレースが現実的に思えた点が大きかったですね。

ー 導入の決め手をお聞かせください。

安原様:社内稟議の過程で他社サービスやグループ内システムと比較検討を行ったのですが、最終的に「費用対効果」と「設定の柔軟性」が決め手となりました。

まずコスト面ですが、他社サービスはコンサルティングが前提で導入予算だけで「億」に達する見込みでした。一方、「Loglass 経営管理」であればコストを大幅に抑えられるだけでなく、導入によって相当数の工数を削減でき、約1,000万円のコスト圧縮効果が見込めると試算できました。

機能面では「どこまで柔軟に設定できるか」を重視しました。私は過去にも営業支援プラットフォームの導入にも携わった経験があり、テーブルや項目などを導入後に自分たちの業務にあわせて設定、拡張することの重要性を理解していました。「Loglass 経営管理」なら任意のカットで設定できる分析軸の機能を活用することで、CFOが見たい切り口のダッシュボードを設計できると判断しました。

プロの運用サポートにより、わずか1ヵ月での本稼働を実現。事業部負担を抑え、意思決定を支える運用へ

ー 導入に向けた運用設計や、事業部への定着において意識したポイントをお聞かせください。

安原様:予算策定の時期にあわせ、2024年11月頃から本格稼働しています。売上の元データだけでも膨大なレコード規模にも達するため、「Loglass 経営管理」上では経営層が意思決定に使う単位へ適切に集約・加工した見込みの可視化に特化して活用する運用としました。

また、導入では事業部に負担をかけないような業務プロセスを意識し、導入以前と事業部の作業自体は変わらないように配慮しました。運用自体は、経営管理部から配布されたExcelに各事業部が見込みを入力するという従来通りの流れです。以前は入力後にメールで送付していましたが、現在はその提出先を「Loglass 経営管理」へ直接投入する形に切り替えただけ、というシンプルな移行にしました。プロセスを複雑にせず、事業部に負担を感じさせないフローを採用しています。

ー 導入時のサポートについてお聞かせください。

藤枝様:予算策定の1ヵ月前に導入を進めなければならないというタイトなスケジュールでしたが、Loglassのカスタマーサクセス担当の方が「やりましょう!」と快く引き受けてくださり、本当に助けられました。私たちの要望に粘り強く対応いただき、予算策定用の資料作成からデータ投入、社内向けの説明会の資料作成と実施まで伴走していただいたのが印象に残っています。結果的に、予定通り進めることができ、2025年度の予算策定にも間に合いました。経費コードの運用面でも最後まで迷っていたときに、担当の方からのご提案で解決できた部分も多く、目からウロコでした。

松永様:事業部のメンバー向けに説明会を開催してくれたことも、とてもありがたかったです。

ー 経営層が求める分析を実現するために設定上でどのような工夫をされましたか。

安原様:最終的な報告アウトプットから逆算してCFOや経営層が求める分析を先回りし、「このレポートが必要そうだから、この分析軸は必要だ」と分析軸を設定していきました。具体的には「経費コード」、「事業区分」、そして「加盟店区分」などの分析軸を設定しています。加盟店区分には、オンライン(ECなど)かリアル(実店舗)など、さらに細分化しています。その他には「新規・既存区分」などもあるのですが、他に見たいカットがでてきた場合も、これらの分析軸を組み合わせて運用しています。

「資料はいつ?」から「もう出てきたの」へ。経営層の要望に即応できる、スピードと精度の両立を実現

ー 「Loglass 経営管理」導入の前後で、業務プロセスはどのように変化しましたか。

安原様:報告のアウトプットは、今回の取り組みを機に「Loglass 経営管理」で集約したデータから作成することを徹底し、仕組み化しています。

具体的には、既存のDWH(データウェアハウス)資産を活かしつつ、「Loglass 経営管理」を経営データのハブとして機能させるアーキテクチャを構築しました。基幹システムからDWHに集約された「累計実績」の膨大なデータを、管理会計用に変換・加工するSQLを組んで「Loglass 経営管理」に連携し、事業部からインプットされる「予算」「見込み」と合わせて一括でダウンロードして報告用のファイルにデータを反映する仕組みです。この仕組み化によって、現在は「更新」ボタンをワンクリックし、数十秒待つだけで資料作成に必要なデータがすべて揃うようになりました。

山下様:足元の業務を効率化できたことによって、データクレンジングなどの他業務に充てられる時間が増えました。基礎集計に時間と手間を割いていた状態から脱却し、人の目による最終チェックが必要な業務にリソースを割けるようになっています。結果として、CFOが考えている事業の見通しと、私たちが作成するExcel資料のデータの距離が縮まり、情報の信頼度が上がったと感じています。

ー 経営層の意思決定には、どのように貢献できていますか。また、事業部からの反応があればお聞かせください。

藤枝様:報告スピードが大きく向上しました。月次の実績・見込報告が早まったことに加え、年に一度の予算策定では例年より1週間も早くCFOへの報告が完了しています。以前は「(資料は)いつできそう?」と確認されることも多かったのですが、最近は「もう出てきたの?」と驚かれるほどです。

安原様:特に効果を感じているのは「修正対応」のスピードです。以前は数字の修正が入ると、集計のやり直しや資料への転記で数日、場合によっては1週間ほど要してしまうこともありました。しかし現在は、「Loglass 経営管理」上のデータを修正すれば即座にレポートへ反映されるため、翌日には修正版を報告できています。意思決定に必要な材料を、タイムラグなく提供できるようになった点は非常に大きいです。

山下様:こうしたスピードと正確性により、報告書に対するCFOからの信頼度が高まっていると感じています。以前はデータの整合性に懐疑的な部分もあったのですが、現在は売上や原価の見込みを正確に照合できるようになっています。

ある本部長からも「費用面の管理は、『Loglass 経営管理』に任せれば可視化が進むから、期待している」というコメントをもらっています。同時にもっと有効活用を進めなければならないと課題認識にもつながりました。

安原様:さらに分析の粒度も以前よりも細かくなりました。従来はセグメント別で営業利益を算出するだけでも複雑な計算とロジックの変更が必要で、経営層から要望があっても簡単には対応できませんでした。しかし現在では加盟店単位で売上を把握できるようになっています。この変化もより正確な経営判断に貢献しているはずです。

松永様:「Loglass 経営管理」を導入してから事業部からはネガティブな反応もなく、むしろスムーズすぎて拍子抜けするくらいでした。予算策定の時期も、事業部担当者にデータの提出依頼をしてから2週間後にはすべてアップロードが完了し、ここまで早くできるんだと実感した瞬間でした。

事業部とのさらなる連携も視野に、データの精度と信頼度を高め、より付加価値が高い分析や提案を目指す

ー 今後の展望についてお聞かせください。

山下様:既存事業の業績把握や収支管理の精度をさらに高め、経営層に提供する情報の品質と信頼度をさらに向上させていきたいと考えています。数値面の報告にとどまらずに「売上がこういう状況だから、こうすれば伸ばせるのではないか」「固定費や変動費の構造的な課題を踏まえて、この支出を見直せば利益率が上がるのではないか」といったさらなる具体的な改善提案を発信できるよう、事業部とも密に連携していくことが次の目標です。

また、今後は事業部側での「Loglass 経営管理」活用もさらに深めていきたいと考えています。現在は経営管理部での利用が中心ですが、事業部に対しても「『Loglass 経営管理』のレポート機能を使ってこの指標を見ていけば、よりレベルの高いマネジメントができる」といった分析視点やフォーマットを、私たちが積極的に提案・実装していきたいと考えています。経営管理部が旗振り役となり、全社的な計数管理レベルの底上げにも貢献する組織を目指します。

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