2023-10-13
Loglass編集部
約3分
Future

『AI時代の経営企画革命』(前編)AI時代に勝つ経営企画部は「〇〇」の準備を始めている

AI時代に勝つ経営企画部は「〇〇」の準備を始めている

AIの発展は目覚ましく、5年後にはIQが10,000になり、10年後にはIQは無限大になると言われています。

日本国内の企業でもChatGPTをはじめとしたAIの導入・活用が始まっており、パナソニックの子会社パナソニック・コネクトでは9時間かかっていた仕事を6分に短縮。サイバーエージェントでは30名以上いた広告関連のディレクターをゼロにするなど、大胆な変化も見られています。

5年、10年後のAIと共に経営管理や経営の意思決定をしていくには、どのような準備が必要なのでしょうか? 本記事では、株式会社ログラスが顧客向けに開催したセミナー『AI時代の経営企画革命』からポイントを抜粋し、前編と後編の2回に分けて解説します。

前編である今回は「AI時代に勝つ経営企画部は『〇〇』」の準備を始めている」と題して、企業やその経営企画部が備えておくべきポイントをとら捉えていきましょう。

AIの導入に備えた経営企画部は「時間の捻出」を始めている

今回のテーマを結論からお伝えすると、経営企画部がAIを導入するにあたっては「時間の捻出」が必要になります。

というのもAIは導入して終わりではなく、それを使いこなすための時間が重要なのです。たとえば食品メーカーの日清食品HDはChatGPTをいち早く業務に取り入れたことで話題となりましたが、活用のための社内研修には初心者向けで2時間、上級者向けでは40時間もの内容が用意されているそうです。

AIを使うことで大きな成果が挙げられるとしても、それを使いこなすまでの時間の捻出は多くの企業で課題となるのではないでしょうか。これは、経営管理領域でのAI活用についても例外ではありません。経営企画部においても、精度の高い意思決定をするためのサポート役、壁打ち役としてAIを利用するケースが想定されます。すると「壁打ちをする前のデータを集める・加工する」といった収集作業の時間短縮は、見落とされがちですが重要なポイントとなるはずです。

時間を捻出するためのデータ取集・加工の共通課題

「AIをすぐに導入できるほど、データがきちんと整理されている企業」というのは、実はそこまで多くはありません。特にこの傾向は、Excelで経営指標を管理しているケースにおいて顕著と言えます。


アナログ管理とも言えるExcelを使った経営管理の共通課題は、おおよそ次の4つに分類できます。

Excel経営管理業務の共通課題

  1. 過去データ等の比較分析が煩雑であり、適宜把握が困難になる
  2. 実績データの張り替えを中心に、手作業に依存する
  3. 子会社数・部門数の増加に伴い、表計算ソフトが重くなり、作業効率が低下する
  4. 定期的に表計算ソフトが破壊される


Excelは、経営数値を保存しておくのには便利なのですが、多角的にデータを見たい、いろんなスパンのデータが見たいなど、経営層や事業部の希望になかなか答えられないという課題があります。

今の時代はM&Aや組織編成を繰り返す企業も多いため、子会社が増えた時には各社のExcelのフォーマットの統一が発生したり、買収した子会社で別の会計ソフトを使っていてそれらを管理するためのマスターのメンテナンスが必要になったりするなどの問題も頻繁に発生し得るでしょう。

また、Excelやスプレッドシートなどの表計算ソフトでマクロを組んで運用している場合、ちょっとした操作でデータが壊されてしまう。行や列がずれただけでも数字が変わってしまうといった根本的な部分にも課題が残っています。

こうした現場のリアルな問題からわかる通り、経営企画は分析に困っているというよりも、分析の前段階であるデータの収集や統合・加工に課題があるのです。

AIの導入・データ分析の時間捻出のためにLoglassでできること

AIの導入、データ分析、どちらにおいても時間の捻出が重要な課題となるなか、経営管理クラウドLoglassでできることを簡単にご紹介させていただきます。

Loglassの機能は大きく分けて次の7つです。

  • 予算策定準備
  • 予算収集
  • 予算統合
  • 予算管理
  • 見込更新
  • 管理会計
  • 経営分析

領域で言えば、「データの収集、統合、加工」といったEPM領域をサポートしているのが特徴です。この記事をご覧の方の中にも、BIツールやBAツールといった分析のツールを導入されている企業のご担当者様もいらっしゃるかもしれません。

BIツールやBAツールはデータの分析をより濃密にするために優秀なツールだと言えます。しかし本記事でたびたび申し上げている通り、これらのツールを使いこなすにしても、まずは正しいデータを集め、分析できる状態に加工するといった前段階の準備が非常に重要になります。

従来の管理方法では、「経営会議の前半30分は数字のチェックに費やし、意思決定のための議論は後半の30分で足早に済ませるのみにとどまっていた」というお声も少なくありません。この点、準備段階からサポートできるLoglassであれば、経営会議における数字の確認時間が圧倒的に減り、意思決定のための有意義な議論に集中できるようになるのです。

経営管理ツールと聞くと、「経理や企画部が楽になるだけのツール」を思い浮かべてしまうかもしれませんが、単に「楽になるだけ」ではなくで、その先の時間を捻出し、意思決定のための議論ができることに本当の価値があると思っています。

分析のフェーズにおいてLoglassは生成AIを搭載しており、日本語で質問するだけで必要なデータをAIが抽出し、分析の準備に使うことも可能です。これによってデータを集める・統合するといった準備段階から分析のためのデータ加工まで、Loglassで行っていただくことができます。

AI導入時に発生する環境の変化のストレスにも対策を

経営管理の領域でAIを活用しようとする場合、時間の捻出と同時に気をつけなければいけないことがあります。それは「環境の変化に対する組織のストレス」です。

テレワークを例に考えるとわかりやすいかもしれません。現在では日本でも当たり前になりつつあるテレワークですが、コロナウイルス感染症流行以前はなかなか実行できていなかったという企業様も多いのではないでしょうか。これは、便利な仕組みであったとしても環境の変化に対して前向きに取り組むことは困難であることを示すひとつの例と言えるでしょう。

AIの導入についても同じことが起こりえます。実際に、社会へ大きなインパクトを与えたChatGPTでさえも2023年3月をピークにアクセスは停滞し、6月から8月までの3ヶ月は連続で減少したことが報じられています。

先に例としてご紹介した日清食品HDも、AI導入から3ヶ月後の現在では利用率が5%未満まで落ち込んでいるそうです。同社CIOの成田氏はこの状況を、生成AIの活用を模索する企業がどこであれ「最初にぶつかる課題になるだろう」と見ています。

新しいテクノロジーやツールを導入する際のストレスは、日本企業の体質的にも大きな課題になるだろうと弊社でも考えています。そこでLoglassでは、Excelやスプレッドシートをあえて残す形でデータを管理する仕様にしました。

Loglassで入力様式のExcelを生成し、それを事業部に全て自動で配布します。経営企画部がこれまで手動で行っていた業務が自動化されます。

事業部側は、いつものように経営管理部から与えられたシートに入力して返せば、数字が全て安全に入力される。つまり現場の業務内容は変わらないため環境変化に対するストレスが発生することなく、正しく素早く数字が入ってくるのがLoglassの特徴です。

こうしたLoglassの仕様はあくまで一例ではありますが、組織が新システムにアレルギーを起こさないため、なるべく環境を変化させない・ストレスを与えないという配慮は重要なポイントとなるでしょう。

『AI時代の経営企画』前半である本記事では、来るべきAI時代に備えて分析のための時間の捻出が最重要であることを解説いたしました。経営企画においてはデータを集める・加工するといった分析の前段階の効率化の重要性は高まっていくでしょう。

経営管理ツールのLoglassなら組織の業務内容に大きな変更を加えず、ストレスを最小限に効率化できるため、この機会にぜひご検討いただけましたら幸いです。

経営管理クラウド「Loglass」は、アナログ運用の多い、経営管理領域のデータを一元化。予算策定、予実管理、見込更新、管理会計のフローを効率的に仕組み化し柔軟に”次の一手”を打ち出せる機動力を届けます。

後編では、経営管理の業務にて現在のAIの技術で対応できること・できないことについてご紹介させていただきます。

執筆者
Loglass編集部

ログラスの編集部です。ビジネス戦略、リーダーシップ、財務、イノベーションなど、ビジネスに関する面白い話題をお届けします。 最新トレンドをキャッチし、ビジネスのヒントやアイデアを提供して、成功への一歩をサポートします。