2023-10-06
Loglass編集部
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【CDOとは】デジタル変革を推進する役職の役割と求められるスキル

【CDOとは】デジタル変革を推進する役職の役割と求められるスキル

企業のデジタル変革が全国的に進む中でその推進役となるような人材のニーズが高まっています。このような背景から昨今「CDO(Chief Digital Officer)」と呼ばれる役職を新たに設定する企業も。本記事では、CDOの役割とその求められるスキルを詳しく解説します。CDOとは何か、具体的にどんな仕事をするのか、どういったスキルが必要とされるのか、それらを理解することで、自社のデジタル変革を進める一助にしていただけたら幸いです。

2.「CDO(Chief Digital Officer)」の概要

(1) CDOの役割と目的

CDOの基本的な役割は、企業がデジタル技術を適切に活用して付加価値を生み出せるように示すこと。

デジタル化による新しいビジネスチャンスを捉え、競争優位性を確保するための戦略を企業全体に展開します。どこまでの領域をCDOにゆだねるかは企業によっても様々ですが、生産性と効率性を向上させ、ビジネスを進展させていくことが求められます。

CDOの目的は、デジタル技術を最大限に活用して、企業のビジネスモデルやプロセスを変革し、新しい市場や顧客にアクセスすることです。その過程では、単に技術の導入するだけではなく、組織文化の変革が求められることも。CDOという役職が与えられているかは別として、実際にDXを進めた企業には、こうした「旗振り役の人材」の活躍が目立っています。

(2) CDOが登場する背景

前述のとおり、CDOの役職が登場した背景には、近年のデジタル技術の急速な進化とそれに伴うビジネス環境の変化があります。

インターネットの普及、スマートデバイスの進化、ソーシャルメディアの出現、クラウドコンピューティングの発展、そしてAIやブロックチェーンといった新しいテクノロジーの出現など、デジタル技術の進化は企業に新たなビジネスチャンスをもたらした一方、これらをフル活用するためには、既存の業務フローや組織文化の見直しも必要です。従来型の組織体制や業務フローではデジタル化を十分に進めることが難しく、新たに専門的な知識と技術を持つ人材が求められるようになった結果として、「CDO」という役職が生まれたのです。

また、今日ではデータを効果的に活用することが競争優位性を確保する鍵となっており、そのためにはデータを理解し、それをビジネスに活かす能力を持つCDOが不可欠となっています。したがって、CDOの役職はデジタル技術の進化とビジネス環境の変化を背景にして誕生し、現在では企業の競争力強化のためにその存在が求められているのです。

(3) CDOと他のC-suite役職との違い

CEO(最高経営責任者)・CFO(最高財務責任者)・COO(最高執行責任者)・CIO(最高情報責任者)など、「C」から始まる会社の経営を司る役職一式を「C-Suite」と呼ぶことがあります。

これらの役職と異なり、CDOが注力するのはデジタル技術の活用とその戦略の立案・実行です。具体的には、企業のビジネスモデルへのデジタル技術の導入、データ分析を用いた意思決定の推進、従業員へのデジタルスキルの教育といった領域で活動します。これにより、CDOは企業がデジタル化による変革を進め、競争優位性を維持・強化する役割を担っています。

その一方で、CDOは他のC-suite役職と同様に、企業全体のビジョンや戦略に対する深い理解が求められます。しかしその対象がデジタル変革という特定領域であるため、ビジネスとテクノロジーを結びつける視点や、デジタル技術に関する深い知識と理解が特に重要とされています。

3.CDOの主な職務内容

(1) デジタル戦略の立案と実行

デジタル戦略は、企業のビジネス目標と重ね合わせながら、新たなデジタル技術をどのように活用してビジネス価値を最大化するかを見極めるものです。また、デジタル戦略は単に技術の導入だけでなく組織全体のビジネスモデルやプロセスの見直しも含むことが多いため、CDOは経営層と密に連携し、企業全体を巻き込んだデジタル変革をリードします。

(2) デジタル技術の導入と活用

CDOは、最新のデジタル技術の動向を把握し、企業が競争力を保つために必要な技術を選定し、その導入と活用を推進します。このためには、AIやクラウド、ブロックチェーンなどのデジタル技術に対する深い理解と、それらを活用したビジネスモデルの創出能力が求められます。また、技術の導入だけでなく、それを社内で広く使いこなせるよう教育やサポートも行います。

(3) データ駆動の企業文化の醸成

データ駆動型の企業文化とは、データを基にした意思決定を行い、常に改善と革新を続ける文化のことを指します。CDOは、その醸成を推進します。具体的には、データ分析を通じてインサイトを得るための基盤作り、データに基づく意思決定を促す組織体制の整備、データ利活用スキルの社内普及などを行います。また、従来の経験や勘に頼る風土から脱却し、データに基づく客観的な判断を重視する文化を作り上げるためのリーダーシップも求められます。

4.CDOに求められるスキルと資質

(1) デジタル技術に対する深い理解

CDOにとって重要なスキルの1つが、デジタル技術に対する深い理解です。これは、最新のテクノロジートレンドを把握し、それらがビジネスにどのように影響を与えるかを理解する能力を指します。例えば、AI、ブロックチェーン、クラウドコンピューティング、ビッグデータなど、今日のビジネス環境を変える可能性を持つテクノロジーへの理解が求められます。

この理解は、企業がデジタル変革を遂行する上での戦略を策定するうえで重要であり、デジタル技術の知識がなければ、その可能性を最大限に引き出す戦略を立てることはできません。

(2) ビジネスとテクノロジーを結びつける能力

CDOは、ビジネスの課題とテクノロジーの可能性を結びつける役割を持っています。これはビジネス戦略とテクノロジー戦略を連携させ、企業全体のパフォーマンスを向上させるための一連のアクションを意味します。具体的には、ビジネス目標の達成に向けてどのテクノロジーをどのように活用すべきかを判断し、その実行計画を立てる能力が求められます。

(3) チェンジマネジメントのスキル

デジタル変革は、企業のビジネスモデルや組織構造、企業文化に大きな変革をもたらします。その変革を円滑に進めるためには、CDOがチェンジマネジメントのスキルを持っていることが不可欠です。これには、新しいアイデアやプロセスの導入、組織内の抵抗を管理し、変化に対するエンゲージメントと受け入れを促進する能力が含まれます。

さらに、CDOは各部門やチームと協力して変革を進めるため、コミュニケーション能力やリーダーシップも重要なスキルとなります。

5.CDOの存在する意義とその重要性

(1) デジタル変革の推進者としてのCDO

CDOは、企業が直面するデジタル化に対する課題と機会を理解し、それをビジネス価値に変換する役割を果たします。デジタル化の戦略立案から実行、そして結果の評価までを一貫して担当し、組織全体のデジタル変革を主導します。具体的には、新たなテクノロジーの探求、既存のビジネス慣習の見直し、新規ビジネスモデルの創出などが含まれます。

(2) 競争優位性を確保するためのCDO

CDOは、企業の競争優位性を確保するための重要な役割を果たします。それは、企業が新しいデジタル技術を活用して競争力を強化し、市場での地位を確立するためです。CDOは、企業のビジネスモデルや製品、サービスをデジタル化することで、顧客体験の向上、オペレーションの効率化、新たな収益源の創出などを可能にします。

(3) 企業のデジタル化促進におけるCDOの役割

CDOは、企業のデジタル化を促進するために、デジタル技術の導入や活用を推進します。それには、新しいデジタル技術の選択と導入、既存システムとの統合、デジタルリスクの管理、そして従業員のデジタルスキルの育成などが含まれます。また、データ主導型の意思決定を推進し、全社的なデータ活用文化を醸成します。これにより企業は、データから得られる洞察を基にした迅速な意思決定や、顧客ニーズへの応答が可能となります。

6.まとめ

CDOが果たす役割は広範にわたりますが、その根底には常に企業の競争力を高め、ビジネス成果を最大化するという目的があります。これはデジタル変革が単なるテクノロジーの導入ではなく、ビジネスモデルや組織文化を含む全体的な変革を意味するからです。そのため、CDOは技術者だけでなく、ビジョンを持つリーダーとしての資質も必要とされます。

執筆者
Loglass編集部

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