株式会社ログラス(本社:東京都港区、代表取締役 執行役員CEO:布川 友也、以下「当社」)は、上場企業でIR関連業務に関与する担当者300名を対象に「上場企業のIR部門における業務実態調査」を実施しました。
<調査結果サマリー>
IRの重要性と対応負荷は高まる一方、IR関連業務に関与する人員は「変わらない」が多数派で、対話記録はアナログに偏る——現場には「ねじれ」が明らかになった。
・IRの重要性が「高まっている」と答えた企業は約7割(プライム上場企業では75.4%)。最も重視する投資家層は国内機関投資家(57.3%)が最多であった。
・東証のガバナンス改革で対応事項が「増えた」と答えた企業は7割超。株価が「伸びている」と感じる回答は半数台にとどまり、負荷の重さと評価の実感が単純には連動しない構図も浮かんだ。
・現在検討中の同一大株主の持分を除いた取締役選任賛成率の開示義務化が、IRまたは資本政策・財務戦略に影響を与えうると答えた企業は8割強であった。
・過去1年のIR従事者数が「増えた」企業は4割弱であるのに対し、「変わらない」と答えた企業が6割弱で多数派であった。
・IR担当者が本来注力したい業務では経営戦略の提言(44.7%)とエンゲージメント強化(43.0%)が上位。一方、個別面談の対話記録・整理では7割前後がアナログ〜半アナログ運用にとどまり、志向とオペレーションのギャップが浮かんだ。
・IR部門の戦略部門化に必要な要素としてスキル向上(38.3%)、経営層の理解(25.0%)、テクノロジー活用(24.0%)が挙げられた。増員・予算拡大に期待する声は5%台にとどまった。
・8割超のIR担当者が、AI・デジタルテクノロジーによる業務課題の解決を期待している。期待することとして、過去記録の資産化・属人化解消(63.3%)が最多。テクノロジーによる業務刷新への関心の高さを示した。
・以上から、現場は戦略的IRを志向しつつも記録・人員・体制の制約に直面しており、テクノロジーを活用することで作業の効率化と対話データの蓄積を進め、現場のスキル向上や経営層の理解促進に繋げていくことがねじれ解消の鍵になりうることが示唆された。
東京証券取引所から上場企業への「資本コストや株価を意識した経営」の要請から3年が経ち、説明会・個別面談・質疑対応に加え、非財務情報の整備など、IR・開示の範囲と深度が拡大しており、プライム上場企業の約9割、スタンダード上場企業の約5割が「資本コストや株価を意識した経営」に関する開示を行っています(※1)。機関投資家等との対話が経営課題の前面に位置づけられるなか、記録・要約・社内調整といったオペレーション負荷も構造的に高まりうると考えられます。
一方で、発行済み株式の40%超を同一株主等が保有する企業を念頭に、同一大株主の持分を除いた取締役選任賛成率の開示義務化などが検討されています。IR活動と資本政策・財務戦略の両面で注視されており、実務上の備えと見通しの整理が求められています。さらに金融庁ではコーポレートガバナンス・コードの改訂に向けた議論が進み(※2)、投資家との対話・開示の質が焦点の一つとなっています。
本調査は、この環境下でIR関連業務に関与する担当者の実態と認識を把握し、課題を可視化することを目的とします。
※1:株式会社東京証券取引所上場部 「資本コストや株価を意識した経営」に関する4年目の取組み P3
※2:金融庁 コーポレートガバナンス・コード~会社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上のために~(改訂案)
調査名:広報・IR部門の業務実態把握調査
調査方法:オンライン上でのアンケート調査
調査期間:2026年3月13日~2026年3月15日
調査対象:上場企業に勤務し、過去1年以内にIR関連業務に従事したことのある担当者 300名
調査企画:株式会社ログラス
※調査データを引用される際は、“株式会社ログラス調べ”と明記いただけますと幸いです。
IRの重要性が「高まっている」と答えた割合は約7割。プライム市場に上場する企業に勤める回答者に限ると75.4%がIRの重要性の高まりを実感しており、全体平均を上回る。
東証の資本コスト意識や対話の質に関する要請などを背景に、IRの戦略的意味が実務現場でも共有されつつあると考えられる。

最も重視する投資家層は、国内機関投資家が57.3%で最多。スチュワードシップや一部のアクティビスト動向などを踏まえ、機関投資家との対話が経営・IRの核になっていると考えられる。

ガバナンス改革に伴い対応が増えたとの回答は7割を超す一方、株価が伸びているとの実感は50%前後にとどまる。負荷の重さと評価の実感は単純には連動しない。


政府・金融庁・市場の議論のなかで、発行済み株式の40%超を同一株主等が保有する企業を念頭に、同一大株主の持分を除いた取締役選任賛成率の開示義務化などが検討されている。この前提に立ち、該当する上場企業に勤める担当者154名に限定して、制度変更がIR・資本政策にもたらしうる影響を尋ねた。
大株主が発行済み株式の40%超を保有する企業に勤めるIR担当者154名のうち、制度変更でIR活動または資本政策・財務戦略のいずれかに影響がありうると答えたのは86.4%。

改革に伴う対応・業務の増加を実感する声は7割を超える一方、IRに関わる従事者数に目を移すと、過去1年は「増えた」が4割未満で「変わらない」が多数派であった。


IR担当者が本来注力したい業務では経営戦略の提言(44.7%)とエンゲージメント強化(43.0%)が上位。一方で投資家との個別面談の記録・整理では、完全手動・音声のみ・書き起こし修正の合計で71.0%を占め、アナログ〜半アナログの運用が目立つ。専用システム・AIを活用している企業は14.3%にとどまり、記録・整理に時間が取られやすい実態が重なる。


IR部門を戦略部門へ近づけるうえで必要な要素として、担当者の専門スキル、経営層のコミット、テクノロジー活用が挙げられる。増員や予算拡大に期待する声は5%台にとどまり、質的な転換を志向する構図がうかがえる。

8割超のIR担当者が、AI・デジタルテクノロジーによる業務課題の解決を期待している。「過去記録の資産化・属人化解消」への期待が63.3%、「単純作業の削減・時間創出」への期待が50.7%。業務効率化だけでなく、対話の蓄積と活用が焦点になっている。

IRの重要性は認識されている一方で従事者数の増加は限定的で、日々の実務はアナログな作業に埋没しがちです。
この"ねじれ"を解消するには、単なる増員だけでなく、テクノロジーによる業務プロセスの根本的な刷新が求められます。とりわけ、投資家との対話を「一過性のイベント」から「蓄積可能なデータ資産」へ転換することが、IR部門の戦略部門化への第一歩になります。「資産化・属人化解消」への期待が63.3%に達していることは、現場がすでに次のステージを求めていることのサインでもあると考えらえます。
株式会社ログラス 取締役 執行役員CFO 伊藤 駿
本調査では、東証のガバナンス改革を受けて日本企業のIRの拡充が進む一方、現場の負担が増している構図が明らかになりました。一方、テクノロジーを議事録作成の効率化等に使うだけでなく、投資家との対話内容の資産化のように、これまでできなかったことを実現していく目的で活用しようという傾向もうかがえます。
IR活動を点ではなく線で捉え、投資家との対話の質を高めていくことは、経営の重要テーマに他なりません。これまで、日本企業のIRは開示が中心となっており、投資家面談では投資家からの質問に答えるだけというケースが非常に多くなっていました。真に意味のある対話にしていくためには、テクノロジーを活用するとともに、発行体と投資家の双方が意識改革を行っていくことが必要であり、本調査がその一助となることを期待しています。
「Loglass AI IR」は、煩雑なルーティンワークであった従来のIR業務を効率化し、投資家との対話の質を向上するAIソリューションです。さらに、近年複雑化しているIR業務の負担を減らし、IR担当者の戦略的な活動を支援します。
製品サイト:https://www.loglass.jp/ai-ir
「良い景気を作ろう。」をミッションとして掲げ、新しいデータ経営の在り方を生み出すDXサービスを提供しています。主なサービスとして、「Loglass 経営管理」「Loglass IT投資管理」「Loglass 人員計画」「Loglass AI IR」「Loglass 設備投資計画」を提供しています。
代表者:代表取締役 執行役員CEO 布川 友也
設立:2019年5月
所在地:東京都港区三田3-11-24 国際興業三田第2ビル 9階
事業内容:新しいデータ経営の在り方を生み出すDXサービスの企画・開発・販売
